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優れた産肉・繁殖能力を持つ新系統豚「ニューハマユウW」


[要約]
アニマルモデルBLUP法を活用した大ヨークシャー種の系統造成試験を実施した結果、1日増体量は雌雄平均939gと良好で、背脂肪の厚さとロース芯面積についても高い遺伝的能力を示している。最終世代初産豚の平均総産子数は11.3頭、離乳頭数9.8頭であり、高い繁殖能力を兼備した新系統豚「ニューハマユウW」が完成する。

[キーワード]
ブタ、大ヨークシャー種、ニューハマユウW、アニマルモデルBLUP法

[担当]
宮崎畜試・川南支場・養豚科

[連絡先]電話0983-27-0168	
[区分]九州沖縄農業、畜産・草地(中小家畜)	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
本県における系統造成試験は、昭和45年から全国に先駆けて着手し、3品種5系統を造成している。現在、これらの系統豚「ニューハマユウL」と「ハマユウW2」を基礎としたLW及びWL母豚の生産供給体制が確立されている。一方、先に造成した大ヨークシャー種の系統豚「ハマユウW2」は造成後14年を経過し、後継系統の造成が急務となっている。このため、後継系統として更に生産性が高く、斉一性に優れた新しい大ヨークシャー種系統を造成するため、アニマルモデルBLUP法を活用した系統造成試験を実施する。

[成果の内容・特徴]
  1. 1日増体量(DG)は、最終第7世代の雄;979g、雌;916gで、同様に体重90kg到達日齢も雄;135日、雌;143日に達し、発育が早い(表1)。

  2. 背脂肪の厚さ(BF)は、雄;1.45cm、雌;1.43cmと適度である(表1)。

  3. ロース芯面積(EM)は、雄;36.4cm2、雌;38.0cm2と太く、枝肉調査豚の赤肉割合は高い(表1)。

  4. 第6世代初産豚の1腹総産子数(LS)及び離乳頭数は、それぞれ11.3頭、9.8頭(育成率93.5%)に達し、繁殖能力に優れる(表2図2)。

  5. DG、BF、EM、LSの育種価及び改良目標に対する総合育種価(H)の予測量は世代とともに向上し、遺伝的能力に優れる(表1図1図2

[成果の活用面・留意点]
  1. 新系統豚の優れた増体能力を活用することにより、肉豚生産における肥育期間の短縮が図られ、生産性の向上につながる。

  2. 背脂肪の厚さは薄く、ロース芯面積は大きく改良したことにより、肉豚生産における枝肉格付成績の改善が図られ、銘柄豚肉「宮崎ハマユウポーク」の安定生産につながる。

  3. 新系統豚の優れた繁殖能力は、種豚生産及び肉豚生産における生産性向上につながる。

[具体的データ]

表1 改良形質の世代推移


図1 総合育種価の推移


図2 総産子数の推移


表2 繁殖成績の世代推移

[その他]
研究課題名:新育種技術を用いた系統豚「新ハマユウ大ヨーク」造成試験
予算区分 :県単
研究期間 :1995〜2002年度


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