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過去6年間に出荷された黒毛和種肥育牛のB.M.S.No.と胸最長筋粗脂肪含量


[要約]
平成14年度に出荷された黒毛和種肥育牛では、各B.M.S.No.に格付けされるために必要な胸最長筋粗脂肪含量が平成9年度と比べ約10ポイント増加していることが明らかになった。

[キーワード]
ウシ、肉用牛、黒毛和種肥育牛、B.M.S.No.、胸最長筋粗脂肪含量

[担当]
鹿児島畜試・肉用牛部

[連絡先]電話0995-48-2185	
[区分]九州沖縄農業・畜産草地(肉用牛)	
[分類]科学・参考	

[背景・ねらい]
枝肉格付けにおける脂肪交雑等級は、第6〜7肋骨間における胸最長筋並びに背半棘筋および頭半棘筋における脂肪交雑を牛脂肪交雑基準に基づいて判定される。しかし、生産者からB.M.S.の格付が年々厳しくなってきているとの指摘がある。そこで、平成9年度から14年度の6年間に同一と畜場に出荷した黒毛和種肥育牛について牛脂肪交雑基準(以下B.M.S.No.)と胸最長筋粗脂肪含量の関係を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. B.M.S.No.は平成12年度出荷牛で6.7と最も高く、平成13年度出荷牛で5.0と最も低い値である。一方、胸最長筋の粗脂肪含量は平成14年度で38.0%と最も高く、平成9年度で24.6%と最も低くなっている(図1)。

  2. 平成9および10年度出荷牛では胸最長筋の粗脂肪含量が30%の時B.M.S.No.は約7であるが、平成11年度以降粗脂肪含量30%におけるB.M.S.No.は年々低下し、平成14年度出荷牛では4まで低下している(図2)。

  3. 脂肪交雑の肉質等級3等級と4等級の境界に相当するB.M.S.No.4の粗脂肪含量は平成9年度の19%から平成14年度の31%へ12ポイント増加している。また、B.M.S.No.5の粗脂肪含量も平成9年度の23%から平成14年度の34%へ11ポイントの増加がみられる(図3)。

  4. 脂肪交雑等級4等級と5等級の境界となるB.M.S.No.7の粗脂肪含量は平成9年度の30%から平成14年度の40%へ10ポイント増加している。B.M.S.No.8についても平成9年度の34%から平成14年度の43%へと9ポイントの増加がみられる(図4)。

[成果の活用面・留意点]
  1. ウシ枝肉格付の適正化を求める基礎資料となる。

[具体的データ]

図1 各出荷年度における出荷牛のBMS.Noおよび胸最長筋脂肪含量


図2 各出荷年度におけるB.M.S.No.と粗脂肪含量の関係


図3 回帰直線から算出したB.M.S.No.4および5に格付けされるために必要な胸最長筋の粗脂肪含量


図4 回帰直線から算出したB.M.S.No.7および8に格付けされるために必要な胸最長筋の粗脂肪含量

[その他]
研究課題名:低コスト・高品質牛肉生産のための飼養技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2001年〜2004年度


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