ビワ良食味品種「涼風」「陽玉」の加温施設栽培における果実品質
- [要約]
- 加温施設栽培の「涼風」の糖度は、「茂木」に比べ0.9以上高く安定している。「陽玉」の糖度は「茂木」に比べ0.5以上高く、果肉は「茂木」と同等で軟らかい。また、「涼風」、「陽玉」とも糖度が露地栽培より高く安定している。
- [キーワード]
- ビワ、加温施設栽培、「涼風」、果実品質、糖度、「陽玉」、果肉
- [担当]
- 長崎果樹試・常緑果樹科
[連絡先]電話0957-55-8740
[区分]九州沖縄農業・果樹
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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ビワ新品種「涼風」「陽玉」の加温施設栽培の早期普及を図るため、加温施設栽培における果実の特性を明らかにし、高品質果実生産技術の確立に資する。
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[成果の内容・特徴]
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「涼風」は、1果平均重が54.3gと「茂木」の45.7gに比べ大きく、種子数が4.9個と多い(表1)。果実の糖度は「茂木」に比べ約1.0〜2.0高く、酸含量は差がない(表1)。果肉硬度は「涼風」が「茂木」に比べやや高い傾向である(表1)。
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「陽玉」は、1果平均重が60.5gと「茂木」の45.7gに比べ大きく、種子数に差はない(表1)。果実の糖度は「茂木」に比べ約0.5〜1.0高く、酸含量はやや高い(表1)。果肉は「茂木」と同等に軟らかく、果皮色は橙色が茂木と同等で濃い(表1)。
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加温施設栽培の「涼風」、「陽玉」は、果実糖度が露地栽培に比べ約1.0以上高くなり、果肉も軟らかくなる傾向である(表1)。
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[成果の活用面・留意点]
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「涼風」、「陽玉」とも1996年に8年生の「福原早生」に高接ぎした樹を供試している。
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施設栽培の温度管理は、最低温度を摂氏10度〜摂氏14度に設定し、長崎早生型の加温体系と同様の温度管理である。
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収穫盛期は、「涼風」は4月中・下旬、「陽玉」は4月下・5月上旬である
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[具体的データ]
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表1 ビワ「涼風」、「陽玉」の加温施設栽培における果実特性(2000〜2002年)
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[その他]
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研究課題名:ビワ新品種「涼風」「陽玉」の栽培技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :1999〜2002年度
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