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高畝マルチ栽培の早生ウンシュウにおけるクエン酸資材施用による樹勢維持と減酸促進


[要約]
高畝マルチ栽培の早生温州において、発根期にクエン酸資材を土壌施用することで、根活性が高まり、葉色は高い値で維持され、果実の減酸も促進される。

[キーワード]
ウンシュウミカン、クエン酸資材、樹勢維持

[担当]
佐賀果樹試・常緑果樹研究室

[連絡先]電話0952-73-2275	
[区分]九州沖縄農業・果樹	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
マルチ等の樹体への乾燥ストレスの付加によって高品質果生産を図る場合、樹勢の低下や減酸の不良といった問題が生じる場合があり、特に高畝マルチ栽培では樹体への乾燥ストレスの付加程度が強く、それらの問題が生じやすい。そこで、クエン酸資材施用により樹勢維持と減酸促進を図る。

[成果の内容・特徴]
  1. クエン酸資材施用によって、施用後より根活性が高まり、夏季の高温乾燥時においても高い活性を維持する(表1)。

  2. 生育期間中の葉色は、無施用樹より高い値で推移する(図1)。

  3. 果実品質は夏季より果実の減酸が促進され、収穫期の果実酸度は対照区より低い。また、果実糖度は対照区とほぼ同様かやや高い値となる(図2表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. クエン酸資材は商品名`コンリキ'(有機酸25%含有)で、500倍液を5月中旬より10日おきに2回程施用する。施用液量は10a当たり4〜5t/回を目安とし、植栽本数や樹の大きさによって加減する。

  2. 資材の施用時期は、露地栽培では開花後の5月中旬を目安とし、発根期に遅れないようにする。また、不知火においては、夏枝発生後の発根期における施用も減酸や樹勢維持に効果的である。

  3. 本試験では希釈液を散水施用しているが、土中かん水や点滴かん水施設を利用することで、省力的な施用が可能と考えられる。

[具体的データ]

表1 クエン酸資材施用による根活性への影響


図1 クエン酸資材施用による葉色の推移


図2 クエン酸資材施用による果実品質の推移


表2 クエン酸資材施用による収穫時の果実品質

[その他]
研究課題名:高畝マルチによる温州みかんの高品質安定生産技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :1998〜2002年度


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