Navigation>>九州沖縄農業研究センター >> 研究成果情報 >> 平成15年度目次

温州ミカン「白川」の植調剤・枝別摘果・マルチによる高品質果実安定生産技術


[要約]
温州ミカン「白川」に、パクロブトラゾール、エチクロゼートの処理および枝別摘果、マルチ被覆を組み合わせて実施することで、樹勢が安定し隔年結果は小さくなり、高品質果実が安定生産できる。

[キーワード]
ウンシュウミカン、白川、隔年結果、マルチ、植物生育調節剤、枝別摘果

[担当]
熊本農研セ果樹研・常緑果樹研究室

[連絡先]電話0964-32-1723	
[区分]九州沖縄農業・果樹	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
温州ミカン「白川」は、樹勢が強く隔年結果性が強いため、生産が不安定なうえ高品質果実になり難い。そこで、植物生育調節剤やマルチ等の技術を組み合わせて実施することにより、樹勢を安定させ、高品質果実を連年生産できる生産体系を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. 「白川」に、表1に示す管理を実施することにより、徒長枝の発生が少なくなり落ち着いた樹相となる(データ略)。

  2. 収量は年次変動が少なくなり、隔年結果性が小さくなる(図1)。

  3. 果実品質は、糖度が高く、果皮の赤味が強い。また、浮皮も少ない果実が生産できる(表2)。

  4. 出荷果実は、特選果実の割合が高く、収益の増大が見込まれる(表3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 表1に示す技術は、樹勢や立地条件等に合わせて2〜3年は継続して実施する。

  2. 植物生育調節剤は、登録されている使用時期に注意して、適期での使用とする。

  3. マルチは、8月中旬以降の被覆とするが、園地条件、その年の気象条件によっては、過乾燥になり酸高になる恐れがあるので、かん水施設を完備し過度の水分ストレスがかからないよう十分注意する。

[具体的データ]

表1 「白川」の高品質安定生産のための管理一覧(現地実証園より)


図1 実証園の一樹当たりの収量の推移


表2 実証園の果実品質(2000〜2003年)


表3 実証園のA選果場における評価(2002年度)

[その他]
研究課題名:低樹高・少資材によるニューセラー系温州ミカンの品質保証果実生産技術
予算区分 :助成試験(地域基幹)
研究期間 :1999〜2003年度


目次へ戻る