加温ハウス栽培マンゴーのやに果発生を防止する温度管理法
- [要約]
- 加温ハウス栽培マンゴー「アーウイン」では、開花期〜収穫直前の夜温を摂氏23〜24度で管理することにより果面の亀裂が減少し、やに果の発生が少なくなる。
- [キーワード]
- マンゴー、アーウイン、加温ハウス栽培、やに果、夜温
- [担当]
- 鹿児島果樹試・栽培研究室
[連絡先]電話0994-32-0179
[区分]九州沖縄農業・果樹
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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加温ハウス栽培マンゴー「アーウイン」では収穫前に果面の亀裂から樹脂(テルペン)が分泌してやに状となり、外観を損ねるやに果が発生し問題となっている。そこで、開花期〜収穫期のハウス内の夜温がやに果の発生に及ぼす影響を検討し、発生防止技術を確立する。
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[成果の内容・特徴]
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開花期〜収穫期のハウス内の夜温を摂氏23〜24度で管理することにより、やに果の発生が少なくなり、健全果が約7〜9割となる(表1、表2)。また、やにの発生程度も軽い。これに対し、夜温を摂氏19〜20度で管理した場合には健全果は約2割、摂氏21〜22度では約6割と少なくなる。
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夜温摂氏19〜20度で管理した果実の気孔は、満開後50〜60日には孔辺細胞が脱落したものが多く観察され、気孔の両端に亀裂が発生する。果実の肥大に伴って亀裂は大きくなり、収穫時には0.5〜3mmとなる(データ省略)。果面への樹脂の分泌は満開後70〜80日から観察される。
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[成果の活用面・留意点]
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昼温は摂氏28〜30度とし、摂氏35度以上の高温は避ける。
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果実肥大期の土壌水分の急激な変化も亀裂の発生を助長するので、かん水はこまめに行い、収穫期までpF1.8〜2.2で管理する。
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[具体的データ]
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表1 加温ハウス栽培マンゴーにおける最低温度別のやに果発生状況(2001年)

表2 加温ハウス栽培マンゴーにおける最低温度別のやに果発生状況(2002年)

表3 加温ハウスマンゴーの栽培経過
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[その他]
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予算課題名:南九州及び南西諸島における特産果樹の新作型並びに高付加価値果実生産技術の開発
予算区分 :助成試験(先端技術等地域実用化)
研究期間 :2000〜2003年度
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