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加温ハウス栽培マンゴーの収穫前落果防止法


[要約]
加温ハウス栽培マンゴー「アーウイン」では、収穫期直前からの遮光ネット被覆、果実肥大期〜収穫期にpF1.8〜2.2の適湿での土壌水分管理、満開後50日目までに葉果比70程度の摘果により収穫前落果の発生が少なくなる。

[キーワード]
マンゴー、アーウイン、収穫前落果、遮光、土壌水分、葉果比

[担当]
鹿児島果樹試・栽培研究室

[連絡先]電話0994-32-0179	
[区分]九州沖縄農業・果樹	
[分類]技術・普及	1.目的

[背景・ねらい]
加温ハウス栽培マンゴー「アーウイン」では、成熟期前に果実が落果する収穫前落果が発生し、着色不良や糖度不足など商品性低下の大きな要因となっている。そこで、収穫期の高温や果実肥大期の過乾燥、着果負担が収穫前落果の発生に及ぼす影響を明らかにし、発生防止技術を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. 収穫期直前に遮光率30%のネットをハウスの天井に被覆することにより、収穫前落果の発生は少なくなる(図1表1)。果梗部の果面温度は、遮光区では摂氏43.8度と無処理区の摂氏48.2度より約摂氏4度低い。

  2. 開花期から収穫期までの土壌水分は、pF1.8〜2.2の適湿で管理することにより収穫前落果の発生が少なくなる(表2)。満開後60日又は同90日から収穫期までpF2.8の乾燥状態とした場合には、各々8.8%、7.1%と適湿区の4.3%より発生が多い。

  3. 葉果比を70として摘果した場合には収穫前落果の発生が少なくなる(表3)。葉果比50の収穫前落果率は7.9%と葉果比70の2.2%より多い。

[成果の活用面・留意点]
  1. 遮光ネットは収穫期直前にハウス天井に被覆し、収穫終了後に除去する。

  2. 土壌表面には敷ワラ等を行い、土壌水分の急激な変化を防ぐ。

  3. 摘果は満開後20日ごろから開始し、50日ごろまでには仕上げ摘果を終わる。

[具体的データ]

表1 遮光処理が収穫前落果の発生に及ぼす影響


図1 果面温度の推移


表2 土壌乾燥が収穫前落果に及ぼす影響(2002年)


表3 着果負担が収穫前落果に及ぼす影響(2002年)

[その他]
予算課題名:南九州及び南西諸島における特産果樹の新作型並びに高付加価値果実生産技術の開発
予算区分 :助成試験(先端技術等地域実用化)
研究期間 :2000〜2003年度


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