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奄美地域におけるマンゴーの加温ハウス栽培による生産安定


[要約]
開花前〜果実肥大期(1月〜5月)にかけて加温したハウス栽培は、無加温ハウス栽培より開花、収穫期が約1ヶ月以上早まり、着花枝率や有核果結果率が安定し、収量が増加する。

[キーワード]
マンゴー、「アーウイン」、ハウス栽培、開花期、収穫期、収量

[担当]
鹿児島農試大島支場・亜熱帯果樹研究室

[連絡先]0997-52-3545	
[区分]九州沖縄農業・果樹	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
奄美地域ではマンゴーのハウス栽培が年々増加しているが、そのほとんどが無加温ハウス栽培であり、発蕾期〜開花期に当たる2〜3月の温度不足による開花の遅れや着果不良が問題となっている。さらに、収穫期の遅れによるせん定時期の遅延は翌年の着花不良等を招き、生産が不安定になっている。そこで、開花前〜果実肥大期(1月〜5月)に加温したハウス栽培での着花(果)性、収量性等について検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 加温区の温度管理は、1月下旬から最低温度を摂氏15度にして加温を開始し、開花期間は摂氏21〜22度、開花終了後〜生理落果期は摂氏23度、果実肥大期は摂氏24度とした(表1)。

  2. 2003年における加温区の開花期間中(2〜3月)のハウス内の最低温度は、無加温区よりも約摂氏7〜8度高くなる(データ略)。

  3. 開花期及び収穫期は、加温区が無加温区より1ヶ月以上早くなる(表2表3)。

  4. 着花枝率及び有核果結果率は、加温区が無加温区よりも高く、無加温区では、年によって着花(果)にバラツキが見られ、結果が安定しない傾向にある(表2)。

  5. 加温に伴う果実肥大促進効果や増収効果が期待できる(表3)。

  6. 着色及び秀品率は、加温区が無加温区よりも優れる(表3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 鹿児島県の奄美地域において、マンゴーの生産安定に活用できる。

[具体的データ]

表1 加温区の温度管理表


表2 処理の違いが開花期及び着花(果)に及ぼす影響


表3 処理の違いが収穫期及び果実品質等に及ぼす影響

[その他]
研究課題名:南九州及び南西諸島における特産果樹の新作型並びに高付加価値果実生産技術の開発
予算区分 :先端技術等地域実用化
研究期間 :2000〜2003年度


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