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ニホンナシ「王秋」の適正な摘果時期


[要約]
ニホンナシ「王秋」は満開40日後までは摘果時期による果実品質への影響は見られないが、満開50日後の摘果では果実重が小さく、糖度も低くなる。また、果実糖度は短果枝着生果実が腋花芽着生果実より高い。

[キーワード]
ニホンナシ、王秋、摘果、果実重、果実糖度

[担当]
佐賀果樹試・落葉果樹研究室

[連絡先]電話0952-73-2275	
[区分]九州沖縄農業・果樹	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
現在、九州各県において導入が進んでいるナシ品種「王秋」は果実品質が優れているが、まだ、その栽培技術は確立されていない。そこで、栽培上重要な適正な摘果時期を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 満開40日後までは摘果時期による品質への影響は見られない。満開50日後に摘果を行うと、果実重が軽く、糖度も低くなる(表1表2)。

  2. 収穫果実の重量分布について満開後40日までは摘果時期による差は見られない(図1)。

  3. 「王秋」は満開後40日までに10果/m2に摘果することによって、600g以上、糖度12%以上の果実が生産できる。

[成果の活用面・留意点]
  1. 花芽着生は良好であるため、着果過多になりやすく、小玉果は糖度も低くなる。

  2. 腋花芽に着果した果実は糖度がやや低く、腰高となりやすいため出来るだけ着果させない。

  3. 着果過多の場合、樹勢が急激に弱り、枝枯れ病が多発する。

[具体的データ]

表1 王秋果実の品質調査(2002年10月8日)


表2 王秋果実の品質調査(2003年10月12日)


図1 王秋収穫果実重量分布(2002年)

[その他]
研究課題名:中生ナシ新品種の栽培技術開発による新出荷体系の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2002〜2003年度


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