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カキ「太秋」の袋掛けによる汚損軽減技術


[要約]
白色撥水紙の果実袋を条紋発生前に掛けることにより、果重、果肉硬度、糖度及び果皮色については無袋と大きな差はなく、8月下旬までに袋掛けを行うことで条紋からの汚損を軽減することができる。

[キーワード]
カキ、太秋、袋掛け、条紋、汚損

[担当]
熊本農研セ・果樹研・落葉果樹研究室

[連絡先]電話0964-32-1723	
[区分]九州沖縄農業・果樹	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
近年、カキ「太秋」は今までにない食感と品質の良さで栽培面積が増加傾向にある。しかし、品種の特性である条紋が発生し、そこから周辺の果皮が黒変して外観を大きく損ないやすく、経営上の大きな問題になっている。そこで、袋掛けの時期や袋の材質(ブドウ袋:白色撥水紙、カキ袋:白色撥水紙、ポリ袋:0.03mmの透明)が条紋からの汚損発生にどのように影響するかを明らかにし、秀品率を向上させるための汚損軽減技術を開発する。

[成果の内容・特徴]
  1. 条紋からの汚損は、年度による振れがややあるものの、条紋が発生する8月下旬までに袋を掛けると無袋より少なくなる。また、ポリ袋より通気性のあるブドウ袋、カキ袋が汚損軽減効果ある。(図1

  2. 糖度はブドウ袋、カキ袋が無袋と同程度で、ポリ袋がそれらよりやや劣る。(図2

  3. 果重は、処理区間に大きな差はみられない。(表1

  4. 果皮色は袋掛け時期が遅くなるほど良くなる傾向がみられるが、各袋とも無袋と同程度で大きな差はみられなかった(表1

[成果の活用面・留意点]
  1. 袋掛けを実施する前は、病害虫を袋の中に包み込まないように防除を徹底する。

  2. 袋掛けをするとカラスの被害に遭いやすいので、その対策をしておく。

[具体的データ]

図1 袋掛けの時期、袋の材質と汚損程度との関係(2002年産)


図2 袋掛けの時期、袋の材質と糖度との関係(2002年産)


図3 2002年と平年の旬別降水量(mm)


表1 袋掛けの時期、袋の材質と果重、果皮色、果肉硬度との関係(2002年産)

[その他]
研究課題名:特産落葉果樹の生産安定技術
予算区分 :県単
研究期間 :2001〜2003年度


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