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ヒリュウ台「白川」の初着果時の適正着果とマルチの効果


[要約]
ヒリュウ台「白川」では、初着果時の着果程度は単位樹冠容積当たり30果程度とし、上部を無着果とすることで次年度の着果量も確保できる。また、収穫前2ヶ月程度のマルチ被覆で品質の向上が図られる。

[キーワード]
ウンシュウミカン、「白川」、ヒリュウ、マルチ、単位樹冠容積

[担当]
熊本農研セ果樹研・常緑果樹研究室

[連絡先]電話0964-32-1723	
[区分]九州沖縄農業・果樹	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
ヒリュウ台「白川」は、カラタチ台に比べ新梢が短くなり樹形が小型化し、果実品質も向上することを報告しているが、着果過多により樹冠拡大が抑えられ樹勢が衰弱したり、収穫前の降雨により品質が低下する。そこで、安定生産のための適正な着果量と品質安定のためのマルチ処理について明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 初着果時に着果量が多いほど翌年の着果量は少なく、単位樹冠容積当たり40果以上の着果で翌年の着果は10果以下となり隔年結果が大きくなる(図1)。

  2. 樹冠上部を摘蕾し無着果とする着果方法で、全面着果に比べ次年度の着花・果が確保できる(表1)。

  3. 9月下旬からの樹冠下マルチ被覆で、糖度が0.7程度上昇し、クエン酸は露地と同程度で品質の向上が図られる。

  4. 以上の結果より、ヒリュウ台「白川」では、初着果時の着果程度は単位樹冠容積当たり30果程度とし、上部を無着果とすることで次年度の着果量も確保できる。

[成果の活用面・留意点]
  1. カラタチ台よりやや少なめの着果量とするが、大玉果になりやすいので群状着果させる。

  2. ヒリュウ台温州ミカンは、水分ストレスを受けやすいので2ヶ月程度のマルチ被覆とするが、過乾燥になり酸高になる恐れのある場合は、早めにかん水を実施する。

[具体的データ]

図1 初着果時の着果数が翌年の着果数に及ぼす影響


表1 ヒリュウ台「白川」の初着果時の着果法の違いが次年度の着花(果)に及ぼす影響


表2 ヒリュウ台「白川」へのマルチ処理が果実品質に及ぼす効果(2003年)

[その他]
研究課題名:低樹高・少資材によるニューセラー系温州ミカンの品質保証果実生産技術
予算区分 :助成試験(地域基幹)
研究期間 :1999〜2003年度


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