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エテホン散布によるカンキツ「天草」の着色促進


[要約]
カンキツ「天草」において、10月下旬(果皮の着色歩合8分以上)に、エテホン1000倍にギ酸カルシウム200倍液を混用して立木全面散布することにより、品質を低下させずに、着色を促進させられる。

[キーワード]
カンキツ、「天草」、エテホン、果皮色

[担当]
沖縄農試・名護支場・果樹茶業研究室

[連絡先]電話0980-52-0052	
[区分]九州沖縄農業・果樹	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
沖縄県における「天草」の果皮色は、着色期の気温が高いため、着色が悪く、黄橙色の果皮色になりやすい。そこで、より果皮色の良い果実を生産するため、エテホンの処理による果皮色の向上について検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 果皮が8分以上着色した時期のエテホン1000倍液(100ppm)およびギ酸カルシウム200倍液の混用散布により、果皮のa*値が増加し着色が向上する(図1図2)。

  2. 果実品質については、糖度および酸度に無処理区との差は見られなかった(表1)。

  3. 果梗部亀裂については、エテホン区でやや高い傾向が見られた(表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 冬季気候の温暖な南西諸島地域の露地栽培「天草」に活用できる。

  2. ギ酸カルシウム200倍液を混用しないと、健全葉の落葉が生じやすいので注意する。

  3. かいよう病に罹病した葉が多い場合や樹勢の低下した樹では、ギ酸カルシウム200倍希釈液を加用しても落葉する可能性があるので注意する。

[具体的データ]

図1 各種処理が果皮色(a*値)に及ぼす影響


図2 各種処理が果皮色(b*値)に及ぼす影響


表1 各種処理が「天草」の果実品質に及ぼす影響

[その他]
研究課題名:新しい需要創出のための地域特産果樹の高品質安定生産と商品化技術の開発
予算区分 :助成試験(先端技術等地域実用化)
研究期間 :2001〜2003年度


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