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吸水種子低温処理による若掘りゴボウの1〜3月どり栽培


[要約]
ゴボウ品種「渡辺早生」と「てがる」の吸水種子を、摂氏4度、暗黒条件下で30日間低温処理を行った後、9月下旬または10月中旬に播種し、トンネル被覆すると、1〜3月の間に10a当たり800〜1,200sの若掘りゴボウが収穫できる。

[キーワード]
ゴボウ、渡辺早生、てがる、低温処理、若掘り

[担当]
福岡農総試・豊前分場・野菜・水田作チーム

[連絡先]0930-23-0163	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
若掘りゴボウは、肉質に優れ、特に香りが強いため、消費者の人気が高いが、1月〜3月は休眠による地上部の枯死や根の肥大の不良により端境期となっている。そこで、休眠の制御技術を開発し、高収益が期待できる若掘りゴボウの1〜3月どりの新作型を開発する。

[成果の内容・特徴]
  1. ゴボウの吸水種子を摂氏4度、暗黒条件下で30日間低温処理すると、厳寒期でも出葉し、休眠を制御できる(図1)。

  2. 「渡辺早生」の吸水種子を低温処理し、9月下旬に播種して11月下旬からトンネル被覆すると、1月上中旬に生葉2枚以上、根重30g以上の若掘りゴボウを10a当たり870s収穫できる。「てがる」の吸水低温処理した種子を用いて、同様の管理を行った場合には、1月下旬〜2月上旬に収穫できる(表1表2、一部データ略)。

  3. 吸水低温処理した「渡辺早生」の種子を10月中旬に播種し、12月中旬からトンネル被覆すると、2月中旬〜3月下旬に若掘りゴボウを収穫できる(表1表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 吸水種子の低温暗黒処理(摂氏4度暗黒条件)により10%程度の種子が発芽するので、損失を見込んで、種子を準備する。

  2. 吸水種子の低温処理中は種子が乾かないよう注意する。

  3. 吸水種子を低温処理して9月下旬に播種した「渡辺早生」は、1月上中旬の収穫適期以降は、地上部の枯れ込みが生じるため、採り遅れないように注意する。

[具体的データ]

図1 吸水種子低温処理が葉数および生葉数に及ぼす影響(品種:渡辺早生)


表1 吸水種子低温処理が生育および収量に及ぼす影響(1999年、2002年)


表2 吸水種子低温処理による若掘りゴボウの新作型(1〜3月どり)

[その他]
研究課題名:若掘りゴボウ吸水種子の低温処理による1〜2月どり栽培技術の確立と現地実証
予算区分 :経常
研究期間 :1997〜2002年度


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