ソラマメの露地栽培に適した品種と整枝方法
- [要約]
- 露地栽培におけるソラマメの品種は、「陵西一寸」、「ハウス陵西」、「唐比の春」が3粒莢以上の商品価値の高い莢の発生比率が高く、収量が多いので有望である。3本仕立て1条誘引の整枝においては、1茎当たり12莢着莢させ、その上部に4葉残して摘芯すると品質の高い莢を多く収穫することができる。
- [キーワード]
- ソラマメ、露地栽培、品種、整枝方法
- [担当]
- 熊本農研セ・い業研・作付体系研究室
[連絡先]0965-52-0372
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
- ソラマメは玉名、八代地域で導入され、産地化が図られているが、本県の水田平坦地域の露地栽培に適する品種や省力的栽培方法等不明な点があり、これらを明らかにする必要がある。
そこで、優良品種の選定及び整枝方法について検討を行い、栽培技術を確立する。
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[成果の内容・特徴]
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「陵西一寸」、「ハウス陵西」、「唐比の春」は収量が多く、商品価値の高い3粒莢以上の莢の発生比率も高く有望である(表1)。
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摘芯は、最上部の莢の着生を確認した後に実施する。最上部の莢より上の葉数を多く残して摘芯すると収量は増加する(図1)。
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3本仕立て1条誘引における整枝は、着莢を確認した後、幼莢の時期に1節1莢着生となるように摘莢を行い、1茎当たり12莢着莢させる。その上部に4葉残して摘芯することで品質の高い莢を多く収穫することができる(図2)。
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[成果の活用面・留意点]
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本作型における収穫時期は、4月下旬から5月中旬である。
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低節位からの花芽着生を促進するため、催芽した後、10月中旬から11月上旬までの時期に処理温度摂氏3度で25〜30日間の低温処理を実施する。
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[具体的データ]
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表1 :品種の違いによる3粒莢以上の収量及び莢の品質(10a当たり換算)

図1 :着莢数及び摘芯葉数の違いによる3粒莢以上の商品果収量の比較(10a当たり)

図2 :整枝方法模式図
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[その他]
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研究課題名:水田地帯における基幹作物の生産安定技術確立(ソラマメ)
予算区分 :県単
研究期間 :1999〜2001年度
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