パプリカの夏秋栽培における仕立て法と着果法
- [要約]
- パプリカの夏秋栽培では、主枝2本仕立て(畦幅150cm、株間20〜30cm、10a当たり主枝本数6600〜4400本)で垂直に誘引し、主枝+側枝に1果着果させれば、作業性は良く、収量および所得も多い。
- [キーワード]
- パプリカ、仕立て法、着果法
- [担当]
- 大分農技セ・畑地利用部
[連絡先]0974-22-0671
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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パプリカは近年需要が増大しているが、流通量の90%が輸入物であり、国内での栽培技術が確立されていない。特に果実が大きく、収穫までの期間が長いために着果負担が大きいことから、収量が低下しやすい。そこで、収量性および経済性が良い主枝の仕立て法と着果法を明らかにする。
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[成果の内容・特徴]
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主枝の仕立て本数が1本、2本、4本のうちでは、本数が少ないほど収量は多く、10a当たりの主枝の本数が、4400〜8800本の間では多いほど収量は多い傾向にある(図1)。
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仕立て本数が少ないほど草丈が高くなり、生育後半の着果位置が高いため収穫作業の負担は大きい(データ省略)。
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仕立て法別の10aたりの所得は、1本仕立てで10a当たりの主枝本数8800本の場合に最も多いが、単位労働時間当たりの所得は少ないため、仕立て法は、2本仕立てで10a当たりの主枝本数6600〜4400本(畦幅150cmの場合、株間20〜30cm)が良い(表1)。
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2本仕立ての場合の主枝の誘引方向は斜め誘引よりも、V字型にして主枝を垂直にした方が収量が多く(図2)、品質も良好である(データ省略)。
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果実は主枝のみ着果させるよりも、主枝と側枝を併用して着果させた方が収量が多い(図3)。しかし、側枝に2果以上着果させると、枝が垂れたり茎葉が繁茂したりし、管理が煩雑になりやすいため、主枝+側枝1果着果が適している。
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[成果の活用面・留意点]
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雨よけハウスでの夏秋栽培で活用できる。
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[具体的データ]
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図1 主枝本数の違いと収量の違い(2003年)

表1 仕立て法別の経営収支の試算(2003年)

図2 主枝の誘引方向別収量

図3 着果法別収量
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[その他]
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研究課題名:中山間地等の水田高度利用のための新規軽量野菜の高収益安定生産技術の開発
予算区分 :助成試験(新技術実用化型)
研究期間 :2001〜2003年度
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