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早熟ミニカボチャの多収、品質向上のための品種及び仕立て法


[要約]
ハウス早熟栽培におけるミニカボチャの品種は、「坊ちゃん」が適する。多収、品質向上のための仕立て法は、子づる2本を主枝とし、ネットに垂直に誘引し、20節程度で摘心する。そして、主枝に1番果、上位節から発生した側枝に2番果を着果させる。

[キーワード]
カボチャ、早熟栽培、品種、仕立て法、着果法

[担当]
鹿児島農試・園芸部

[連絡先]099-268-3231	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
食の多様化に伴い、デザートに利用できる従来のカボチャとは異なるミニカボチャが育成された。このカボチャは300〜500gの小果、開花後45〜50日で収穫できる早生性、ブリックスが15%程度になる高糖度が特徴で、消費者に好評である。また、従来のカボチャとは異なり管理労力はやや多く必要であるが、軽労化が期待できる等、高齢者向きの品目である。しかし、生理生態特性が解明されておらず、栽培技術が未確立のまま、県内産地で栽培されている。そこで、早熟栽培における多収・省力技術を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. 品種は、「坊ちゃん」がブリックスおよび食味が優れ、果実の大きさも適当である(表1)。

  2. 仕立て法は、子づる2本垂直仕立てが主枝に1番果グループ、側枝に2番果グループを着果させることで、1番果グループが多収であることと、誘引作業が省力的であることから優れる(表2図1)。

  3. 主枝の摘心節位は、20節程度が1番果グループの着果数や収量が25節と大差なく、さらに、畦面からの高さが120cm程度で作業性が優れる(表3)。

  4. 主枝の誘引は、ネット誘引が果実外観評価を下げる傷果の発生が少なく、紐誘引より省力的である(表4)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 播種は、2月中旬で、定植から2週間程度はトンネル被覆し、初期生育を促す。

  2. 着果は、7〜8節着生の第2花から開始し、1主枝あたり3果程度を目標とする。

  3. 側枝は、主枝の上位節から発生した2本を利用し、その他の側枝は除去する。また、側枝の誘引は行わない。

  4. 収穫は、1番果グループが着果後約50日、2番果グループが45日程度で行う。

[具体的データ]

表1 品種比較


表2 仕立て法が開花日、果実肥大及びブリックスに及ぼす影響


表3 垂直仕立てにおける主枝の摘心節位が開花、着果及び収量に及ぼす影響


表4 垂直仕立てにおける誘引方法の違いが1番果の傷果の発生に及ぼす影響


図1 仕立て法

[その他]
研究課題名:中山間地等の水田高度利用のための新規軽量野菜の高収益安定生産技術の開発
予算区分 :助成試験(新技術実用化)
研究期間 :2001〜2003年度


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