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根深ネギの晩夏〜初秋まき4〜5月どり栽培における抽台回避及び多収技術


[要約]
晩抽性品種を用いた根深ネギ栽培において、8月下旬〜9月中旬まきでPOフィルムをトンネル被覆すると抽台が抑制され、4月下旬〜5月に良品が得られる。また、チェーンポットを利用した場合の播種粒数は2・3粒交互まき、育苗日数は40日がL規格収量や上品収量が多く適する。

[キーワード]
ネギ、トンネル被覆栽培、チェーンポット、播種粒数、育苗日数

[担当]
鹿児島農試・大隅支場・園芸研究室

[連絡先]0994-62-2001	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
夏まき春どり根深ネギの作型は冬期の低温によって花芽分化し、収穫期の4月以降に抽台する危険性が高く、収量、品質が不安定である。そこで、抽台が遅く、収量、品質の優れる晩抽性品種として選定した「春扇」の播種期別抽台の発生特性を把握し、抽台回避及び良質苗生産による多収技術を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. 「春扇」は8月下旬〜9月中旬播種の無被覆栽培では、収穫適期の4月下旬から5月にかけて抽台が急激に増加し、上品収量が極端に少なくなる(図1図2)。

  2. 4月下旬〜5月に上品収量(3〜4トン/10a)を得るためには、8月下旬〜9月中旬まきでPOフィルムを12月〜2月まで被覆する(図3)。

  3. チェーンポットへの播種粒数は、L規格収量が多く、上品収量の多い2・3粒交互まきが適する(図4)。育苗日数は、短いほど生育が促進されるが、定植時の苗が小さいことから欠株が生じやすい。単位面積当たりの上品収量が多い40日育苗が適する(表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 無被覆栽培では、抽台の発生を抑えるために、播種期を7月下旬〜8月中旬に厳守する。但し、収穫期は4月上中旬となる。

  2. POフィルムのトンネル被覆は、地域での平均気温摂氏13度以下、葉鞘径6〜7mm以上の大きさを目安に開始する。

  3. 本試験はチェーンポットCP303を用いた結果である。

[具体的データ]

図1 抽台率の推移(H14年度)


図2 播種期別収量


図3 POフィルム被覆の有無と収量


図4 播種粒数別収量(平成14年度)


表1 育苗日数別生育および収量(平成14年度)

[その他]
研究課題名:中山間地等の水田高度利用のための新規軽量野菜の高収益生産技術の開発
予算区分 :助成試験(新技術実用化)
研究期間 :2001〜2002年度


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