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宿存ガクの形質や着果率が優れるホオズキ新品種候補系統「八女1号」


[要約]
県内ホオズキ産地から収集、選抜した系統を交配し、新品種候補系統「八女1号」を育成した。本系統の宿存ガクの形状は先端が尖り、しわが少なく、大きさは親系統の中間であり、在来系統よりも着果率が高い。

[キーワード]
ホオズキ、新品種、宿存ガク、形状、着果率、大きさ

[担当]
福岡農総試・八女分場・中山間地作物チーム

[連絡先]0943-42-0292	
[区分]九州沖縄農業・野菜・花き	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
ホオズキ栽培は現在、地域の在来種が利用されているが、着果率の低いもの、宿存ガクの形質が劣る(先端が丸く、しわが多い)もの、また、宿存ガクが小さいものなどがある。
そこで、着果や宿存ガクの形状の良好な系統を県内各産地から収集、選抜して交配を行うことにより、宿存ガクの形状や大きさ、および着果率の優れた新品種を育成する。

[成果の内容・特徴]
新品種候補系統「八女1号」と親系統および在来系統とを比較した特性は以下のとおりである。本系統は宿存ガクの形状が良く、着果も良好であり、総合的にみて、形質のバランスが最も優れる。

  1. 宿存ガクは先端が尖り、しわの数が少なく「花粉親」に近い良好な形状をしている。ガクの色は「親系統」や「在来系統」と同等である。また、大きさは5cm前後であり、「子房親」と「花粉親」との中間である(図1表1)。

  2. 6〜20節の着果率は90%と高く、「親系統」と同等であり、「在来系統」よりも高い。また、2節連続して落果する株の割合は「親系統」より高いが「在来系統」より低く、着果性が優れる(表1)。

  3. 草丈は「親系統」や「在来系統」よりも高く、優れる(表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 種苗登録後、在来系統に替えて普及を図る。

[具体的データ]

図1 親系統および新品種候補系統の宿存ガクの形状


表1 各品種、系統の宿存ガクの形質、着果率および草丈(平成14年度)

[その他]
研究課題名:ホオズキ7月上中旬出し雨よけ施設栽培技術の確立
予算区分 :県特
研究期間 :1999〜2002年度


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