シンテッポウユリ「さきがけ雷山」の切り下球根利用による12月出し栽培
- [要約]
- シンテッポウユリ「さきがけ雷山」の二年生切り下球根を、流水処理等の前処理後、摂氏8度2週間の低温処理を行い、9月上旬までに定植すると12月中に出荷できる。使用する球根重量は10g〜20gが適当である。
- [キーワード]
- シンテッポウユリ、「さきがけ雷山」、12月出し栽培
- [担当]
- 佐賀農業セ・栽培技術部・花き研究室
[連絡先]0952-45-2141
[区分]九州・沖縄農業・野菜・花き
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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近年、シンテッポウユリの品種改良が進み、テッポウユリに劣らない品質のものが生産されるようになった。しかし、一般に栽培終了後の球根は廃棄されていた。そこで、種苗の有効利用を図るため、シンテッポウユリの二年生切り下球根を利用した12月出し栽培について検討する。
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[成果の内容・特徴]
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球根前処理については、24時間の流水処理、摂氏45度1時間の温湯処理及び100ppmのジベレリン液浸漬処理により開花が促進される。いずれの処理方法でも生育や開花時期に大差はない(表1)。
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定植前に摂氏8度で2週間の低温処理を行うことで年内の採花率が向上する(表2)。
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9月上旬までに定植することで、開花が早まり年内の採花率が向上する(表3)。
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切り下球根の球重は、切り花品質、開花時期を考慮して10〜20gの球根を利用する。球根重30g以上では、花蕾数は多くなるが、開花が遅れる(表4)。
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[成果の活用面・留意点]
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切り下球根の堀り上げは、球根の肥大状況や低温処理期間、定植時期等を考慮して行う。
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低温処理は、処理期間が比較的短いためパッキング材等は不要であるが、ポリシート等を用い球根が乾燥しないよう配慮する。
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栽培期間中は最低温度摂氏15度で管理する。
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[具体的データ]
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表1 定植前処理と生育・開花 2002

表2 低温処理期間と生育・開花 2001

表3 定植時期と生育・開花 2001

表4 球根重量と生育・開花 2002
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[その他]
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研究課題名:「特産花き銘柄産地育成のための作型開発」
予算区分 :県単独
研究期間 :2000〜2002年度
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