秋ギク「神馬」の3月開花作型における低コスト加温栽培
- [要約]
- 秋ギク「神馬」の3月開花作型では、直挿し後摂氏13度、電照打ち切り20日前から摂氏16度の夜温管理をすることにより、花芽分化遅延を防止でき、電照打ち切りまでの燃料消費量を70%程度に低減できる。また、親株管理は、加温しなくてよい。
- [キーワード]
- 秋ギク、神馬、親株、夜温管理、低コスト
- [担当]
- 長崎総農林試・野菜花き部・花き科
[連絡先]0957-26-3330
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
- 秋ギク「神馬」は、3月開花作型では電照打ち切り後に花芽分化が遅延しやすく、また、開花も不揃いとなりやすい。この花芽分化遅延は、電照期間を低夜温で管理した場合に発生が多い。また、親株を加温栽培している産地もあるが、生産経費上問題である。
そこで、花芽分化遅延を起こさない、本圃および親株栽培での低コスト加温法を確立する。
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[成果の内容・特徴]
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直挿し後摂氏13度、電照打ち切り20日前から摂氏16度で管理した後に電照を打ち切ることにより、開花揃いがよくなる(表1)とともに、電照期間中の燃料消費量は、摂氏16度一定管理に比べて70%程度に減少する(表2)。
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親株を昼夜開放した施設内で栽培することにより、直挿し後の生育が促進され、切り花品質が向上し、開花遅延しない(表3)。
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[成果の活用面・留意点]
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- 電照打ち切り後の夜温管理は、摂氏13度(17:00〜22:00)、摂氏18度(22:00〜3:00)、摂氏20度(3:00〜9:00)とする。
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日中は、摂氏25度を目標に管理し、換気は、10:00〜15:00以外は行わず、茎が赤くならない(アントシアンを生じない)ように管理する。
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[具体的データ]
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表1 3月開花作型「神馬」の電照期間の加温方法と生育・開花

表2 3月開花「神馬」の電照期間

表3 気象データ

表4 「神馬」親株の栽培温度と生育・切り花品質
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[その他]
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研究課題名:秋ギクの周年栽培における安定生産技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2002〜2005年度
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