小輪系アスターの発芽適温と高温期育苗における催芽処理法
- [要約]
- 小輪系アスターの発芽適温は、従来タイプのアスターに比べて狭く、概ね摂氏15〜20度である。高温期の育苗では、摂氏5度で6日間の吸水処理後、摂氏15〜20度で6〜9日間発芽を促す催芽処理法が有効である。
- [キーワード]
- 小輪系アスター、発芽適温、催芽
- [担当]
- 熊本農研セ・農園研・花き研究室
[連絡先]096-248-6444
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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小輪系アスターは、多花性のため添え花やアレンジに最適であり、花色が豊富で日持ちも良いことから需要が伸びる品目として注目されている。しかしながら、従来タイプのアスターに比べて、発芽が悪く、特に高温期の育苗に失敗する事例が多い。そこで、発芽と温度の関係を明らかにするとともに、高温期の育苗における催芽処理法を確立する。
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[成果の内容・特徴]
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従来タイプのアスターは、摂氏10〜30度まで比較的安定して高い発芽率を示すが、小輪系アスターの発芽適温は狭く、概ね摂氏15〜20度で最も高い発芽率となる品種が多い。また、発芽適温においても90%以上の高い発芽率を示す品種は少ない(表1)。
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摂氏5度で6日の吸水処理後、摂氏15〜20度で6〜9日間処理すると、無処理や吸水処理無しに比べて発芽揃いも良く、高温期でも高い発芽率が得られる(図1、図2)。
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高温期の催芽処理による切り花品質への影響は小さい(表2)。
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[成果の活用面・留意点]
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播種する際、覆土が厚いと発芽率が低下しやすいので覆土は薄くする。
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催芽処理後発芽が揃うまでは、直射日光の当たらない場所で育苗する。
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アスターの種子は、暗条件でも良く発芽するので、催芽処理は暗条件下で行って良い。
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[具体的データ]
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表1 小輪系及び従来タイプのアスターにおける発芽率の温度による差異

表2 高温期の催芽処理が切り花品質に及ぼす影響

図1 催芽温度と期間が高温下での発芽率に及ぼす影響

図2 高温期育苗における催芽処理の効果
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[その他]
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研究課題名:小輪系アスターの周年生産技術
予算区分 :県単
研究期間 :2001〜2003年度
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