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デンファレ多収性有望品種


[要約]
ハワイのデンファレ切り花品種「ユニワイ・ミスト」と「ユニワイ・スプリーム」、並びにシンガポールの品種「ルーシーピンク」は、沖縄の栽培環境に適応し、多収性である。

[キーワード]
デンファレ、切り花品種、多収性

[担当]
沖縄農試・園芸支場・花き育種研究室

[連絡先]098-973-5530	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
経済の停滞以降、市場の切り花単価は低迷を続けている。特にギフト向け商品である沖縄のデンファレが受けた打撃は大きく、単価の低下は著しい。このため、栽培の低コスト化技術と、多収性で高単価が期待できる高品質な品種の選定、育成が強く望まれている。

[成果の内容・特徴]
ハワイとシンガポールで育成されたデンファレ11品種を導入し、無加温栽培施設で適応性と切り花収量性を調査した結果(図1図2図3表1)、沖縄の栽培環境に高い適応性を示し、多収性である3品種を選定した。選定品種の特性は以下のとおりである。

  1. 「ユニワイ・ミスト」
    花色は白、花形は小輪・細弁である。バルブの発生、生長は旺盛で、長幹種(ケーンタイプ)である。開花3年目の切り花収量はa当たり9千本を超え、対照品種「ジャックハワイ」と同等もしくはそれ以上の多収性である。切花長は長く、輪数は多い。開花時期は10〜12月と春季、6〜7月である。花落ちは少ない。
  2. 「ユニワイ・スプリーム」
    花色は中央が白で花弁がピンク、花形は小輪・細弁である。バルブの発生、生長は旺盛で、長幹種(ケーンタイプ)である。開花3年目の切り花収量はa当たり7千本を超え、対照品種「プラモト」以上の多収性である。切花長は長く、輪数は多い。開花時期は10〜11月と7〜8月である。花落ちは少ない。
  3. 「ルーシーピンク」
    花色は中央白で花弁は淡ピンク、花形は小輪・セミ弁である。バルブの発生は旺盛で、中幹種(セミケーンタイプ)である。開花2年目の切り花収量はa当たり約5千本得られ、対照品種「プラモト」と同等の多収性である。切花長は長く、輪数は多い。開花時期は9〜11月と6〜7月である。花落ちは少ない

[成果の活用面・留意点]
  1. 「ユニワイ・ミスト」と「ユニワイ・スプリーム」の裁植本数は少なめが好ましい。また、低ベンチでの栽培が望ましい。シンビジウム・モザイクウィルスの病徴が出易いので感染に注意が必要である。

  2. 「ルーシーピンク」は花茎から蜜の分泌が多いので、すす病対策が必要である。

[具体的データ]

図1 年次別バルブ長


図2 年次別バルブ発生数


図3 規格別切り花収量と花落ち花茎率


表1 多収性有望品種の切り花特性

[その他]
研究課題名:ハワイ、シンガポールの多収性デンファレ品種適応性検定
予算区分 :県単(先導)
研究期間 :1999〜2002年度


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