半促成スイカにおける灌水同時施肥法を用いた施肥量削減
- [要約]
- 半促成スイカにおいて、灌水同時施肥法を用いると、窒素施肥量を0.8s/a程度まで削減しても収量、糖度の低下はみられず、窒素の利用効率は向上する。
- [キーワード]
- スイカ、半促成、施肥法、灌水同時施肥法、窒素施肥量削減
- [担当]
- 熊本農研セ・農産園芸研・野菜研究室
[連絡先]096-248-6446
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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近年、硝酸性窒素による地下水汚染が問題となっており、その原因の一つとして過剰な窒素の施肥が指摘されている。そこで生産性を維持しながら環境への負荷を軽減するために、半促成スイカにおける灌水同時施肥法の窒素施肥量削減効果を明らかにする。
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[成果の内容・特徴]
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灌水同時施肥法により窒素施肥量の削減が可能であり、0.8s/a程度まで削減しても収量の低下はみられない(図1)。
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灌水同時施肥法により窒素施肥量を削減しても、果実糖度の低下はみられない(図1)。
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灌水同時施肥法により窒素施肥量を削減しても、a当たり窒素吸収量、収量1t当たり窒素吸収量に大きな変化はない(図2)。
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灌水同時施肥法により窒素施肥量を削減すると、窒素の施肥効率(吸収量/施肥量×100)は向上し、施肥窒素の効率的な利用が図られる(図3)。
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[成果の活用面・留意点]
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2002年の試験ほ場における施肥前の硝酸態窒素量は6.20mg/100g、可給態窒素量は1.07mg/100gであり、削減できる窒素の割合は、栽培ほ場の地力や残存窒素量の違いにより異なる。
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窒素施肥量のうち20%を着果までに、80%を着果後に施用する。
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[具体的データ]
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図1 収量および果実糖度に及ぼす施肥法の影響(共試品種:富士光TR)

図2 窒素吸収量に及ぼす施肥法の影響

図3 窒素施肥効率(吸収量/施肥量×100)に及ぼす施肥法の影響
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[その他]
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研究課題名:農耕地からの窒素負荷軽減のための合理的施肥技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :1998〜2002年度
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