九州沖縄農業研究センター
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アスター萎凋病汚染圃場の土壌消毒効果


[要約]
アスター萎凋菌に汚染された隔離床内の土壌を、クロルピクリンくん蒸剤及びダゾメット粉粒剤による土壌くん蒸、または蒸気消毒すると高い防除効果が得られ、良好な切花が採花できる。

[キーワード]
小輪系アスター、連作障害、アスター萎凋病、隔離床

[担当]
熊本農研セ・農園研・花き研究室

[連絡先]096-248-6444	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
小輪系アスターは、花径が小さく多花性のため添え花やアレンジに最適であり、花色が豊富で日持ちも良いことから今後周年にわたり需要が伸びる品目として注目されている。しかしながら、従来のアスターと同様に連作障害の発生が産地形成の妨げとなっている。そこで、連作障害の原因であるアスター萎凋病の多発生土壌における防除法を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 隔離床内の汚染土壌をクロルピクリンくん蒸剤、ダゾメット粉粒剤による土壌くん蒸または蒸気消毒すると、アスター萎凋病に対する防除効果が高い。生育中に枯死する株はほとんどなく、採花後の根の褐変もほとんど見られない(図1図3図4)。

  2. 防根シートを深さ15cmに埋没した簡易隔離床でもクロルピクリンくん蒸剤による土壌くん蒸により隔離床と同等の防除効果が得られる。木枠地床では、生育中に枯死する株はほとんどないが、採花後の根に褐変が見られる(図2)。

  3. 無処理区の生存株の切花長は45cm程度で商品価値が低いが、土壌消毒することにより消毒方法と栽培床の違いに関わらず、商品価値の高い長い切り花が得られる(図5図6)。

[成果の活用面・留意点]
  1. クロルピクリンくん蒸剤は登録がないが、非食用に対する特例措置で使用可能。

[具体的データ]

図1 隔離床における消毒方法が枯死株率と根の色に及ぼす影響


図2 栽培床の違いがクロルピクリン消毒後の枯死株率と根の色に及ぼす影響


図3 クロルピクリン消毒の隔離床の状況


図4 無処理の隔離床の状況


図5 隔離床における消息方法が切花品質に及ぼす影響


図6 栽培床の違いがクロルピクリン消毒後の切花品質に及ぼす影響

[その他]
研究課題名:小輪系アスターの周年生産技術
予算区分 :県単
研究期間 :2001〜2003年度


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