ユーチャリスの開花調節方法
- [要約]
- ユーチャリスは、充実した長径5cm以上で3ヶ月程度前に植え替え処理を行った球根を用い、摂氏32度で2週間処理した後、昼摂氏20度夜摂氏15度で栽培すると高率に開花し、周年開花も可能である。
- [キーワード]
- ユーチャリス、アマゾンリリー、開花調節
- [担当]
- 沖縄農試・園芸支場・花き研究室
[連絡先]098-973-5530
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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ユーチャリスはおもに結婚式のブーケなどに利用されている、本県での栽培は施設内の地植え栽培で行われているが、季咲きが中心となり開花期(7〜8月、12〜3月)と需要期(10月前後)が一致せず価格は低い傾向である。そのため需要期および周年開花に向けたユーチャリスの開花制御について検討する。
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[成果の内容・特徴]
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球根の大きさは初年から採花でき、栽培全期間においても収量の多い長径5cm以上とする(表1)。
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開花前歴と植え替えが開花調節に及ぼす影響は、植え替えた区では高い開花率であるが、植え替えを行わない場合4-5ヶ月前開花区は57%、9ヶ月前開花区では33%と低い傾向である。また前回の開花が開花調節処理から近いと到花日数は遅くなり、直前に植え替えると商品化率は低下する(表2)。
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開花前歴をそろえ植え替えを行い、摂氏32度の高温処理と昼摂氏20度夜摂氏15度の低温処理を行うと高率に開花する。また、高温期間は摂氏32度2週間で十分である(表3)。
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[成果の活用面・留意点]
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この成果は、ユーチャリス栽培における開花調節、および切り花の高品質化、増収に向けた栽培指導の基礎資料として活用できる。
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本法には球根の養成、増殖を行う場所が必要である。また、簡易トンネルでの家庭用小型エアコン、小型加温機などによる開花調節も可能である。
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開花調節に利用するエネルギーコスト削減の検討が必要である。
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[具体的データ]
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表1 球根サイズの違いによる開花数※および切花品質※※

表2 開花前歴と植え替えが開花調節*に及ぼす影響

表3 高温と低温処理を組み合わせた開花調節
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[その他]
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研究課題名:亜熱帯畑作地域における輪間作等高収益複合化技術
予算区分 :国庫助成(地域基幹)
研究期間 :1998-2002年度
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