クルクマ・アリスマティフォリアの開花調節技術
- [要約]
- クルクマ・アリスマティフォリアは休眠のさめた長期貯蔵球根を出荷時期に合わせ随時植え付け、日長の短い9月から3月までは電照を行って休眠を防止し、気温の低下する11月下旬から4月下旬まで最低気温摂氏20度に加温すれば、品質の良い切花の周年生産が可能である。
- [キーワード]
- クルクマ、長期貯蔵球根、電照、加温、周年生産
- [担当]
- 沖縄県農試・園芸支場・花き研究室
[連絡先]098-973-5530
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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現在、本県のクルクマ切花の出荷ピークは7月〜8月で出荷量が増加すると単価が急激に低下するために経営に及ぼす影響が大きい。このことから日長処理及び加温等による開花調節技術を確立し、出荷期間の拡大を図る。
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[成果の内容・特徴]
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球根の貯蔵適温は摂氏13度であり、掘り上げ1年後の12月中旬まで高発芽率を維持できる(表1)。
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日長の短い9月から3月まで長日処理すれば休眠を防止できる(表2)。
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開花は定植後3〜4カ月頃から開始し、約3カ月間採花できる(表3)。
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貯蔵球根を随時取り出して、植え付ければ冬春期は(12月〜4月)品質が良くないが周年開花する(表3)。
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気温の低下する11月下旬から最低気温摂氏20度に加温すれば、冬春期も収量、品質が向上する(表4)。
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[成果の活用面・留意点]
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既存クルクマ切花産地の出荷期間の拡大。
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球根は4月以降貯蔵中に発芽し、貯蔵根が萎びていくので、長期間貯蔵するためにはビニル袋に詰め摂氏13〜15度の温度で貯蔵する。
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空中湿度が高いと葉、花梗等に赤色斑点症が発生しやすいので留意する。
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[具体的データ]
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表1 貯蔵法別球根形質の経時変化(平成13年度)

表2 植付時期別採花時期別収量(本/20株、平成14年度)

表3 日長時間の違いによる月別切花収量(本/10株)

表4 加温による収量、品質向上(本/20株)
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[その他]
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研究課題名:亜熱帯畑作地域における輪間作等複合化技術
予算区分 :国庫助成(地域基幹)
研究期間 :1998〜2002年度
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