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T型重油バーナーの改良による炒り葉機の温度制御技術


[要約]
炒り葉機の加熱装置であるT型重油バーナーに温度センサー、温度指示調節計、電磁弁の装置を組み込むことで、炒り葉機の温度自動制御が可能である。

[キーワード]
チャ、釜炒り茶、T型重油バーナー、炒り葉機、温度制御

[担当]
佐賀茶試・製茶研究室

[連絡先]0954-42-0066	
[区分]九州沖縄農業・茶業	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
炒り葉機における温度管理の自動化と殺青温度の安定化を図るために、既設のT型重油バーナーを利用した温度自動制御法を開発する。

[成果の内容・特徴]
  1. 開発した温度制御技術は、酵素殺青部の温度計測を行う放射温度計と温度の指示調節計を取り付け、燃料ラインをバーナー手前で2系統に分け、両系統に逆流防止弁付きバルブを装着し、一方は低燃焼時の燃料供給量を設定、他方は温度設定値と放射温度計の値を比較して電磁弁1をON・OFF制御し、燃料供給量を調節する機構である(図1)。

  2. 低燃焼させるための1次側燃料バルブの開放率は24〜27%、この時の燃料消費量は全開時の52〜86%である(図2)。

  3. 温度自動制御の場合、点火約10分後には各設定温度に達し、その後は断続的な燃焼により設定温度との差は摂氏±3.0度以内である(図3表1)。

  4. 温度自動制御に要するT型バーナーの改良経費は約40万円である(表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. T型重油(低圧空気式オイル)バーナーを熱源とする製茶機械の温度自動制御法として活用できる。

  2. 時間当たりの噴出空気量を34リットル/分に固定し、重油燃焼量を22〜42ミリリットル/分の範囲で使用する。

  3. 低燃焼時のバルブ開閉程度は、1/4インチのボールコックを使用する。また、運転時の失火を防ぐためには、燃焼炎の大きさを確認し、燃焼限界点より少し多目の燃料供給量に調節する。

  4. 失火した場合の安全対策は、燃料供給ラインに電磁弁2を装着し、指示調節計の下限アラーム出力と連動させることで可能となる(図1)。

[具体的データ]

図1 炒り葉機酵素殺青部側面


図2 1次バルブ開放程度と燃料消費量及び燃焼状態


図3 自動温度制御時の殺青胴温度推移


表1 温度制御法の違いによる殺青胴温度の比較


表2 温度自動制御ための改良に要する経費の比較(工事費を除く)

[その他]
研究課題名:新ブランド釜炒り茶開発のための商品規格化
予算区分 :県単
研究期間 :2003年度


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