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煎茶のアミノ酸/NDFASH値による火入れ茶温の設定法


[要約]
回転ドラム式火入れ機において、適度な火入れ香味の発揚する茶温は、茶の化学成分値と密接な関係があり、近赤外分析法によるアミノ酸/NDFASHの値を用いて設定できる。また、茶温測定には放射温度計が利用できる。

[キーワード]
チャ、回転ドラム式火入れ機、近赤外分光分析法、アミノ酸、NDFASH、放射温度計

[担当]
鹿児島茶試・加工研究室

[連絡先]0993-83-2811	
[区分]九州沖縄農業・茶業	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
合理的な火入れ処理を行うために、化学成分の測定値を基に安定した火入れ条件の設定を行うことが必要である。そこで、近赤外分光分析法の化学成分値により、適度な火入れ香味の発揚する茶温を検討する。
また、火入れ中の茶温は接触式の温度計では測定が困難であるので放射温度計を用い測定する手法を検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 近赤外分光分析法による化学成分値、アミノ酸/NDFASHと適度な火入れ香味の発揚する茶温は、y=-34.76x+124.81(r=-0.9478)の関係で求められる(表1.図1)。

  2. 火入れ中の茶温は放射温度計と公定法による茶温の差は僅かである。また、簡易な放射温度計も公定法と比較し、若干高めに推移するがおおまかな目安になる(図2)。

  3. 火入れ中の茶温がドラム内壁面温度と平衡状態となり始めた頃から火入れ香味が発揚し、その後10〜15分間が仕上茶として許容される火入れ程度の幅である。その間の茶温の上昇は約摂氏1.0度と小さい(表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 火入れは棚式透気乾燥機で摂氏70度、30分間予備乾燥後、回転ドラム式火入れ機(横山式15K型)により投入量10kgでおこなった。

[具体的データ]

表1 素質別火入れ程度毎の取り出し時間と茶温及び滋味評価


図1 アミノ酸/NDFASHと程度な火入れ香味の発揚する茶温の関係


図2 測定法別の火入れ中の茶温変化

[その他]
研究課題名:荒茶素質別の火入れ技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2000〜2003年度


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