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チャの中切り前年における乗用型深耕機による深耕効果


[要約]
茶園において中切り更新と乗用型深耕機で深耕する場合、中切り前年の深耕が最も増収効果は高い。また、乗用型深耕機による土壌物理性改善の持続効果は3年程度である。

[キーワード]
チャ、乗用型深耕機、深耕効果、土壌物理性、中切り更新

[担当]
鹿児島茶試・栽培研究室

[連絡先]0993-83-2811	
[区分]九州沖縄農業・茶業	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
心土破砕機の一種であるM社製の乗用型深耕機による深耕は、断根が少なく、深耕後の管理作業への弊害も少ないことや、一般園では深耕翌年の収量向上効果もある。そこで、乗用型深耕機による中切り更新茶園の深耕時期について検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 中切り前年,翌年に深耕することで収量は増加し、特に、中切り前年深耕で中切り翌年からの増収が期待出来る(表1)。

  2. 深耕3年目までは、うね間中央部深さ35cmの土壌貫入抵抗値は、無深耕に比べて小さいが、4年目では、土壌貫入抵抗値、土壌硬度、三相分布の改善効果は認められない(図1表2)。

  3. 中切り当年の深耕は、中切り枝で作業能率が劣るとともに、十分な深耕効果がえられにくい(表1図1)。

  4. 乗用型深耕機による深耕で、根の活性は高まる(表3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 厚層多腐植質黒ボク土壌での結果である。

  2. 中切りは5月(一番茶後)、地上54cm位置、深耕時期は9月、深耕深さ36cm(り柱位置、一般的な深耕効果は深さ45cmまで及ぶ)の場合。

  3. 乗用型深耕機はM社製(心土破砕方式)を使用した、特性については「中村(1997)九州農業の新技術第10号:164-167」参照。

[具体的データ]

表1 年間収量の推移 (kg/10a)


図1 うね間中央部の土壌貫入抵抗値


表2 うね間土壌の物理性(中切り3年後)


表3 根の活性(中切り2年後)

[その他]
研究課題名:乗用型深耕機に関する試験
予算区分 :県単
研究期間 :1997〜2003年度


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