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減肥茶園における少雨時のかん水による施肥の効率化


[要約]
茶園において、少雨時にかん水を行い土壌水分を適正に保つと、施肥資材等からの窒素の供給が順調に進み、土壌中無機態窒素量が高い値で推移する。また、新芽の生育量は大きく、全窒素含有率も高くなり、施肥削減に有効である。

[キーワード]
チャ、茶園、少雨時、かん水、土壌水分、施肥削減

[担当]
福岡農総試・八女分場・茶チーム

[連絡先]0943-42-0292	
[区分]九州沖縄農業・茶業	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
施肥資材等の窒素肥効の発現には地温や土壌水分等が影響するが、特に少雨乾燥年では、窒素肥効の発現が想定通りに進まず、施肥基準の見直しで施肥削減が進む中、茶の収量、品質への影響が懸念されている。
そこで、少雨時にかん水を行うことが、茶の生育、品質及び土壌中無機態窒素量に及ぼす影響を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 降水量が少なく土壌が乾燥する時にかん水を行い、生育に適正な土壌水分(pF2.3以下)を保つことで、うね間土壌中の無機態窒素量は高い値で推移する(図1図2)。

  2. かん水により土壌水分を適正に保つことで、被覆尿素の窒素溶出は無かん水に比べて順調に進む(図3)。

  3. かん水管理を行うと茶芽の生育が旺盛となり、新芽中の全窒素含有率も高くなることから、少雨時のかん水は施肥削減に有効である(表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 少肥条件下で、少雨時の茶園管理のための技術資料として活用できる。

  2. 赤黄色土茶園において試験した結果である。

[具体的データ]

図1 土壌pF(うね間・深さ20cm部)及び降水量の推移


図2 うね間土壌中(0〜20cm)の無機態窒素量の推移


図3 被覆尿素の窒素溶出率の推移

[その他]
研究課題名:肥効調節型肥料を利用した窒素施用量の大幅削減
予算区分 :県単
研究期間 :2000〜2002年度


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