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長崎県の茶園におけるクワシロカイガラムシの天敵類の発生と薬剤感受性


[要約]
長崎県の茶園におけるクワシロカイガラムシの天敵の優占種はチビトビコバチ、サルメンツヤコバチ(仮称)である。サルメンツヤコバチ(仮称)はDMTP乳剤の感受性が高く、ブプロフェジン水和剤に対する感受性は低い。

[キーワード]
チャ、クワシロカイガラムシ、チビトビコバチ、サルメンツヤコバチ

[担当]
長崎総農試・東彼杵茶業支場

[連絡先]0957-46-0033	
[区分]九州沖縄農業・茶業	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
クワシロカイガラムシは、チャの樹冠内部の枝に介殻をかぶって寄生するため、防除適期がつかみにくい。また、散布薬液も虫体に届きにくいことから、チャの難防除害虫となっている。本種の防除を効率化するためには、防除適期の把握、薬剤散布法の改善、天敵の利用など効果的な防除技術を開発し、茶業経営の低コスト化を図り、環境保全に寄与する必要がある。
そこで、クワシロカイガラムシの天敵類の発生消長を調査し、長崎県における優占天敵種を明らかにする。さらに、一部の薬剤について、その感受性を調査する。

[成果の内容・特徴]
  1. 長崎県の茶園におけるクワシロカイガラムシの天敵優占種は、チビトビコバチとサルメンツヤコバチ(仮称)である(図1表1)。

  2. サルメンツヤコバチ(仮称)はDMTP乳剤、クロルフェナピル水和剤に対する感受性が高く、ブプロフェジン水和剤に対する感受性は低い(表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 天敵類に影響の少ない農薬散布時期、散布薬剤の選択など、天敵を保護する防除法を検討する際に活用できる。

  2. 東彼杵茶業支場内(標高380〜400m)での慣行防除園における調査結果であり、地域によって異なると考えられるので別途調査の必要がある。

[具体的データ]

図1 クワシロカイガラムシ天敵類の発生消長


表1 クワシロカイガラムシ天敵の年間捕獲数(粘着トラップ1枚当たり頭数)


表2 処理枝接触法によるサルメンツヤコバチ(仮称)の薬剤感受性

[その他]
研究課題名:茶害虫クワシロカイガラムシの環境保全型防除技術の実用化
予算区分 :国庫(地域新技術)
研究期間 :2002〜2003年度


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