黄色高圧ナトリウムランプによるチャノコカクモンハマキ、チャハマキ、チャノホソガに対する密度抑制効果
- [要約]
- 黄色高圧ナトリウムランプを夜間点灯することにより、チャノコカクモンハマキ、チャハマキ、チャノホソガ成虫の発生を抑制することができ、チャノコカクモンハマキ幼虫に対して高い密度抑制効果を示す。
- [キーワード]
- チャ、黄色高圧ナトリウムランプ、ハマキガ類、チャノホソガ
- [担当]
- 熊本農研セ・茶業研究所・球磨農業研
[連絡先]096-282-6851
[区分]九州沖縄農業・茶業
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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黄色蛍光灯は、野菜・花き類の施設栽培や果樹栽培において使用されている。最近、黄色蛍光灯より効果範囲が広く、長寿命化、省エネ化された黄色高圧ナトリウムランプが開発され、市販されている。また、多くの茶園には200ボルト電源による防霜ファンが設置されており、黄色高圧ナトリウムランプの利用が可能である。そこで、茶園における黄色高圧ナトリウムランプのチャノコカクモンハマキ、チャハマキ、チャノホソガに対する防除効果について検討する。
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[成果の内容・特徴]
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黄色高圧ナトリウムランプ(I社製、ECOYELLOW、200V、300W)を防霜ファンの支柱の高さ5m、点灯時間は午後6時から午前6時までの12時間の連続点灯として使用した(図1)。黄色高圧ナトリウムランプはチャノコカクモンハマキ、チャハマキ、チャノホソガの成虫に対し、発生予察用性フェロモントラップに誘殺される雄成虫数を抑制する効果がある(図2、図3、図4)。
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チャノコカクモンハマキに対する黄色高圧ナトリウムランプの夜間点灯は、設置位置から半径36m以内で非照射区に対する巻葉数の減少率は92〜57%と高く(表1)、密度抑制効果は約30m程度に及ぶ。また、チャノホソガに対しては光源から5mの位置で非照射区に対する巻葉数の減少率は73%である(データ省略)。
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[成果の活用面・留意点]
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チャノキイロアザミウマの発生が非照射区比169%と多くなる傾向がある(データ省略)。
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黄色高圧ナトリウムランプの1台あたりの初期設置費用が5万円程度、ランニングコストとして電気代が1,000円/月程度である。
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[具体的データ]
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図1 黄色高圧ナトリウムランプ設置図(球磨農研)

図2 チャノコカクモンハマキの世代別誘殺数(球磨農研)

図3 チャハマキの世代別誘殺数(球磨農研)

図4 チャノホソガの世代別誘殺数(球磨農研)

表1 チャノコカクモンハマキの非照射区に対する巻葉数の減少率(球磨農研)
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[その他]
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研究課題名:環境負荷低減のための化学農薬散布量削減技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2001〜2004年度
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