近赤外水分センサーによる再乾取り出しの自動化
- [要約]
- 近赤外水分センサー指示値と熱乾法による茶葉水分の実測値との誤差は2%程度であり、実用性は高い。再乾工程の取り出しは、近赤外水分センサーを用いることで、自動化が可能である。
- [キーワード]
- チャ、近赤外水分センサー、再乾工程、自動化
- [担当]
- 熊本農研セ・茶業研究所
[連絡先]096-282-6851
[区分]九州沖縄農業・茶業
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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従来型FAシステムに用いられていた電気抵抗式水分センサーは、低水分域である再乾工程中の水分測定の精度が低かった。これに代わる水分センサーとして、近赤外水分センサーを導入し、原葉熟度や蒸し度を変えて水分測定精度検定を行い、再乾工程取り出しの自動化を図る。
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[成果の内容・特徴]
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再乾機に取り付けた近赤外水分センサーに取り出し設定数値を入力する。茶葉水分が取り出し設定数値に達し、続けて2回の測定値が設定数値の±0.5の範囲を示すか、下回ると圧縮空気系統の電磁弁が開き、連動している再乾機の取り出し口が開き自動的に茶葉を取り出すことができる。
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再乾工程中の近赤外水分センサー指示値と熱乾法による茶葉水分の実測値との相関は高い(図1)。
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原葉熟度、蒸し度の違いに関わらず再乾工程取り出し時の近赤外水分センサー指示値と熱乾法による茶葉水分の実測値との誤差は2%程度であり、近赤外水分センサーの実用性は高い(表1、表2)。
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再乾工程の取り出しは、近赤外水分センサーを用いることにより設定水分での取り出しの自動化が可能である。
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[成果の活用面・留意点]
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蒸し製玉緑茶製造ラインの再乾機で使用する。
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[具体的データ]
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図1 再乾工程中の近赤外水分センサー指示値と実測値との相関

表1 蒸し度の違いによる測定精度

表2 原葉熟度の違いによる測定精度
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[その他]
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研究課題名:蒸し製玉緑茶の改良型FAシステムによる高品質・省力化製造技術
予算区分 :県単
研究期間 :1999〜2003年度
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