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農薬安全使用基準を迅速に検索するためのパソコンソフト


[要約]
表計算ソフト「エクセル」のフィルタ機能を用いた農薬安全使用基準の迅速検索ソフトを開発した。本ソフトを用いることで、農薬の安全使用基準の情報を様々な項目から迅速に検索できる。本ソフトはJPP-NET(日植防)で会員のみに公開されているデータベースを生産現場で使いやすいような形式に組み直したものであり、最新データへは別途開発した専用ソフトを用いることで自動更新できる。

[キーワード]
農薬、安全使用基準、検索、データベース

[担当]
佐賀果樹試・病害虫研

[連絡先]0952-73-2275	
[区分]九州沖縄農業・病害虫	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
農薬の安全使用を図るうえで、使用作物、収穫前使用日数等の安全使用基準は正確かつ迅速に伝達されることが重要である。また、現行の冊子による検索方法やWEB上で公開されている検索ソフトでは、各県で使用されている防除基準等の記載事項をチェックするのに非常に多くの作業時間を要する。そこで、農薬の安全使用基準情報を迅速に検索するためのパソコンソフトを開発する。

[成果の内容・特徴]
  1. 本検索ソフトは農薬の安全使用基準をMicrosoft Excel'の`フィルタ'という検索機能を用いることで,迅速かつ容易に検索できるソフトである。各検索項目の右側にあるボタンをクリックするとリストが表示されるので、検索したい項目を選択するだけで良い(図1)。

  2. 検索項目は生産現場で使いやすい形式で整理されており、商品名、一般名、毒性、魚毒性、作物名、使用倍数(使用量)、収穫前日数、使用回数、成分毎の使用回数、登録取得会社等から検索可能である。また、別途開発した`経費算出.xls'というソフトを用いれば、水和剤、乳剤等を所定の濃度で100リットル散布した場合の経費を自動算出できる。

  3. JPP-NETの「掲示板」のコーナーにて公開中である。

  4. 本検索ソフトは、別途作成した「作成用ソフト(VBA)」を用いて自動で作成できる。日本植物防疫協会が運営するWEBサイト`JPP-NET'において会員のみに公開されている「剤の概要」、「適用情報」、「有効成分情報」(いずれもCSV形式)をすべてダウンロードした後に、「作成用ソフト」に表示してあるボタンを押すだけで約4時間後に検索ソフトが自動作製される。

  5. 本検索ソフトを用いて、本県で使用の`病害虫防除のてびき'の記載事項の確認に要した時間は、`農薬適用一覧表(日植防)'や`クミアイ農薬総覧(全農)'等の冊子で行う場合の約1/2、インターネットで行う場合の約1/4の短時間で済む(表1)。

  6. 冊子やインターネットで検索して農薬の安全使用基準に関する資料を作成する場合には、手入力や複雑な処理が必要であるが、本検索ソフトの場合は、コピー&ペースト機能を利用することで、誤入力がなく容易に資料等を作成できる。

[成果の活用面・留意点]
  1. 本ソフトはJPP-NET(日植防)で提供されたデータベースを用いて作成したものであるため、使用範囲は会員のみに限定される。会員になれば誰もが使用できるが年間に10万円以上の高額な会員費を払わなければならない。`農薬の安全使用基準は法律である'という概念のもと、誰でも広く利用できるような措置が必要である。

[具体的データ]

図1 Microsoft Excel`のフィルタ機能を用いた迅速農薬安全使用基準検索ソフトによる検索手順(例:カンキツかいよう病の登録薬剤を検索する場合)


表1 農薬の安全使用基準の検索に要する時間

[その他]
研究課題名:農薬の安全使用基準の検索ソフトの開発
予算区分 :県単
研究期間 :2003年〜2005年


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