畑作地における夏季の湛水処理によるネコブセンチュウ密度低減効果
- [要約]
- 春作のタバコと秋冬ダイコンの栽培体系において、夏季にほ場を50日間湛水状態にすることにより、ネコブセンチュウの密度を低減できる。
- [キーワード]
- ネコブセンチュウ、湛水
- [担当]
- 宮崎総農試・生物環境部・害虫科
[連絡先]0985-73-6448
[区分]九州沖縄農業・病害虫
[分類]技術・参考
-
[背景・ねらい]
-
宮崎県東諸県郡国富町では2〜7月にタバコ、9〜12月にダイコンを栽培する体系が普及している。近年、連作ほ場を中心にタバコでのネコブセンチュウによる被害が目立ってきているため、タバコ定植前とダイコンは種前にくん蒸剤等を用いた土壌消毒が行われている。一方、本地区は開発田を畑として利用しているほ場が多く、また綾川からの灌漑排水設備が整っている。そこで、7〜8月の休閑期に、ほ場を湛水状態にすることによるネコブセンチュウの密度低減効果について実証する。
-
[成果の内容・特徴]
-
-
夏季にほ場を50日間湛水状態にすることで、地表下15cmのネコブセンチュウ密度は薬剤処理と同等に低下し,ネコブ指数を低く抑える。(表1)
-
[成果の活用面・留意点]
-
-
湛水開始の時期が遅れると、水温・地温が上がらず効果が劣る場合があるので,長期間高温が得られる時期に開始する。
-
同様な気候の他地域でも適用可能である。
-
[具体的データ]
-

表1 2ヶ年の各区の地表下15cmにおける処理前後のネコブセンチュウ数と生物検定による根こぶ指数

表2 2ヶ年の各区の地表下40cmにおける処理前後のネコブセンチュウ数と生物検定による根こぶ指数
-
[その他]
-
研究課題名:国営綾川二期地区病害虫防除効果検証試験
予算区分 :国庫
研究期間 :2000〜2002年度
目次へ戻る