カキノヒメヨコバイのイチゴへの被害と採苗期における発生消長
- [要約]
- カキノヒメヨコバイはイチゴ親株及び苗の展開葉に葉脈間の退緑斑や葉の湾曲症状などの被害を与える。圃場におけるイチゴへの寄生虫数は7月中旬まで多く、その後減少する。
- [キーワード]
- イチゴ、カキノヒメヨコバイ、被害
- [担当]
- 佐賀農業セ・土壌環境部・病害虫農薬研究室
[連絡先]0952-45-2141
[区分]九州沖縄農業・病害虫
[分類]科学・参考
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[背景・ねらい]
- 近年、採苗期のイチゴ親株や苗で葉脈間の退緑斑、ならびに葉の湾曲症状が多く見られる。本症状の発生にカキノヒメヨコバイEmpoasca nipponica(埼玉大学林正美助教授が同定)が関与していると考えられたため、イチゴ葉にカキノヒメヨコバイを人為的に放虫し、症状を再現するとともに採苗期のイチゴでの発生消長と被害の推移を調べた。
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[成果の内容・特徴]
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カキノヒメヨコバイ(図1)を放虫したイチゴ株では、新葉から1〜2枚目の展開葉に葉脈間の退緑斑、葉の湾曲症状及び新葉の萎縮がみられる(表1、図2、図3)。
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圃場では新葉の萎縮は確認できず、本虫の主たる被害は葉脈間の退緑斑ならびに葉の湾曲である(表2)。
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イチゴ(親株、苗)でのカキノヒメヨコバイの発生は6月上旬〜8月上旬にみられ、特に7月中旬まで寄生虫数が多い(表2)。
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[成果の活用面・留意点]
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イチゴ圃場周囲にカキがある場合、本虫の発生に注意する必要がある。
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[具体的データ]
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図1 カキノヒメヨコバイ成虫

図2 被害葉(葉の湾曲)

図3 展開葉の萎縮

表1 カキノヒメヨコバイ接種によるイチゴの被害状況

表2 イチゴにおけるカキノヒメヨコバイの発生と被害の推移
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[その他]
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研究課題名:発生予察
予算区分 :国庫
研究期間 :2002〜2003年度
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