隔離ベッド栽培でのキクのかん水施肥栽培における窒素施肥管理
- [要約]
- 黒ボク土壌とバーク堆肥、牛ふん堆肥を4:4:1の容積比に混合した培養土を用いることで、窒素だけの施肥で輪ギク栽培が可能である。この時の施肥窒素量は17g/m2、液肥濃度は200mgN/Lが適当である。
- [キーワード]
- 輪ギク、隔離ベッド、かん水施肥栽培、施肥窒素量
- [担当]
- 鹿児島農試・土壌肥料部
[連絡先]099-268-3234
[区分]九州沖縄農業・生産環境(土壌肥料)
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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隔離ベッド栽培は、排液量が少ない環境保全的な栽培法である。そこで、発泡スチロール容器を活用した隔離ベッドを作成し、かん水施肥を用いた家畜ふん堆肥混合培養土における輪ギクの栽培技術を確立する。
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[成果の内容・特徴]
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収穫時の主茎長は生育ステージ毎に窒素量、かん水量を変化させた70-150-100mgN/L区が他の区を上回るが、90cm切花重、切り花品質については施肥窒素量の違いによる差は見られない(図1)。
- かん水量に対する排液率は約5%と少なく、排液に含まれる無機態窒素量は0.55g/m2程度である(表1)。
- 収穫時の総窒素吸収量は各区とも約20g/m2で変わらないが、施肥窒素量が26.6g/m2では窒素利用率が約60%に低下していることから、本試験の培養土では17g/m2が適正窒素施用量と考えられる(表2)。
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培養土に牛ふん堆肥を混合することによって、培養土中のリン酸、カリ等の成分は不足しないことから,窒素だけの施用(液肥)で輪ギク生産が可能である(表3)。
- 以上のことから、隔離ベッドを利用したかん水施肥栽培では、培養土に牛ふん堆肥を混合することで窒素のみの施肥でキク栽培が可能である。この時の施肥窒素量は17g/m2、液肥濃度は200mgN/L程度が適当である。
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[成果の活用面・留意点]
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隔離ベッドは発泡スチロール容器(縦110cm、横37cm、高さ18cm)をブロックの上に2列に並べて作成した。
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9月定植の12月出し作型の輪ギク栽培(神馬2号)で適用される。
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本試験で用いた牛ふん堆肥の成分は以下のとおりであるが,大幅に成分が異なる場合は混合割合の検討が必要である。

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本培養土の連用は可能であるが、連用年数については培養土の分析結果を基にした判断が必要である。
- [具体的データ]
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図1 収穫時の生育状況

表1 かん水量及び排液量等

表2 養分吸収量及び窒素利用率

表3 栽培前及び栽培終了時の培養土の化学性
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[その他]
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研究課題名:環境負荷低減のための果菜類・切り花の新栽培・施肥管理システム
予算区分 :助成事業(地域基幹)
研究期間 :2002年度
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