低温流通によるマンゴーの炭疽病様黒色斑点発生抑制
- [要約]
- マンゴー(品種:アーウイン)を摂氏10度の低温条件で流通させることにより、果皮の炭疽病様黒色斑点の発生が抑制され、果皮色も向上する。
- [キーワード]
- マンゴー、アーウイン、炭疽病様黒色斑点、低温流通
- [担当]
- 鹿児島農加研指セ・流通保蔵研究室、鹿児島果樹試・栽培研究室
[連絡先]099-268-9325
[区分]九州沖縄農業・流通加工、果樹
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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マンゴー(品種:アーウイン)の炭疽病様黒色斑点(果皮面に生じる黒色斑点)は、収穫後数日経ってから発生するため、出荷時に発生を予測できない。現在、ほとんどのマンゴーは常温で流通されており、特に輸送時間が長くなる県外出荷においては、市場や小売店舗到着時点で発生し、著しく商品価値が低下する。そこで、炭疽病様黒色斑点の発生を抑制する流通時の温度管理について検討する。
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[成果の内容・特徴]
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流通時の温度を摂氏5〜10度に管理することによって、マンゴー果皮の炭疽病様黒色斑点の発生を抑制することができる(表1)。
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流通温度摂氏5〜15度では、流通中の果実内容成分の変化が少なく、食味を良好に保持できる(表2)。
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流通中の果皮色(a値・赤色)の増加は、摂氏10度で最も多くなり、外観を改善・保持できる(図1)。
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流通温度摂氏5度では、シュリンケージ(果皮のしわ)が発生する(表2)。
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[成果の活用面・留意点]
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流通中の品温の上昇は、急速な品質低下を招くので、出荷地から消費者(地)までのコールドチェーンが途切れないようにする。一旦低温管理した果実を常温に放置すると黒色斑点発生の助長が懸念される。
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やに果では、この技術の効果は期待できない。
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[具体的データ]
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表1 流通温度がマンゴーの炭疽病様黒色斑点の発生に及ぼす影響

表2 流通温度がマンゴーの果実重並びに内容成分等に及ぼす影響(貯蔵13日目)

図1 流通温度の違いがマンゴーの果皮色の変化に及ぼす影響(貯蔵前との色差)
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[その他]
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研究課題名:トロピカルフルーツの鮮度保持技術の確立と加工品の開発
予算区分 :県単
研究期間 :2001〜2003年度
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