一対比較法を用いた圃場条件の評価方法
- [要約]
- 圃場条件に関与する様々な要因について、一対比較法による重み付けを行うことで客観的な総合評価が可能である。この方法は、目的や地域の特性に応じた要因の重み付けが可能である。
- [キーワード]
- 圃場評価、一対比較法、重み付け、土地利用
- [担当]
- 佐賀農業セ・企画流通部・情報システム研究室
[連絡先]0952-45-2141
[区分]九州沖縄農業・情報研究
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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中山間地において圃場を分級し、その分級に応じた土地利用を行うことで、効率的な営農と農地の有効利用を図り、荒廃を防止することが可能と考えられる。そこで、このような分級のための圃場評価方法を開発する。
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[成果の内容・特徴]
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総合評価値の算出は、まず圃場条件に関与する要因について個々の圃場について採点する。なお各要因の点数の幅は一定とする。次に各要因の重要度を一対比較法で求めこれを重み付け係数として総合評価値を算出する。(図1)
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重み付けの係数は、各要因の評価値のうちの最小値が1になるように各評価値に定数を加算する。(表1)
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総合評価値は次のようにして求める。
総合評価値=煤i要因iの点数×要因iの重み付け係数)
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要因を10項目として一対比較法による重み付けで得られた総合評価値は、農作業受託組織のオペレータによる圃場評価とのあいだに高い相関が得られた。(図2)
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一対比較法による評価値は、目的や評価を行う人によって結果が異なるので、様々な目的や地域の特性に応じた要因の重み付けが可能である。
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[成果の活用面・留意点]
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複雑な圃場条件をもつ中山間地における土地利用計画の策定や農作業受委託料金の算出などを行う場合の水田の評価に利用できる。
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一対比較法の評価を行う場合には、比較する要因を十分吟味し、実施する際には目的をはっきりさせて行うことが重要である。
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[具体的データ]
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図1 圃場評価のながれ

図2 総合評価値とオペレータ評価の関係

表1 一対比較法の評価値と重み付け係数の事例
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[その他]
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予算区分 :県単
研究期間 :2000〜2003年度
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