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納豆用小粒大豆品種「すずおとめ」の熊本県における特性


[要約]
「すずおとめ」は「フクユタカ」に比べ収量は劣るが、成熟期が早く、粒揃いがよい。納豆用小粒大豆品種として熊本県で認定品種に採用し普及を図る。

[キーワード]
奨励品種、納豆用、小粒、すずおとめ

[担当]
熊本農研セ・農産園芸研、高原農研、球磨農研

[連絡先]電話(農産)096-248-6444、(高原)0967-22-1212、(球磨)0966-45-0470	
[区分]九州沖縄農業・水田作	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
現在、熊本県における大豆の作付は3200ha程度であり、そのほとんどが「フクユタカ」の作付である。そのため、収穫・乾燥作業が競合し、収穫の遅れにより品質を低下させる一因となっている。また、「フクユタカ」の用途は主に豆腐用であり、実需・消費者からは地産地消を目的とした納豆用大豆が望まれている。このような状況から、「フクユタカ」と組合せ可能な熟期で納豆用の大豆品種を選定する。

[成果の内容・特徴]
「すずおとめ」は、九州沖縄農業研究センターにおいて、「納豆小粒」/九系50(Hill/みさお)の交配から育成された納豆用小粒大豆で、「フクユタカ」に比べて次のような特性を有する。

  1. 開花期は4日程度早く、成熟期は13〜19日早い“中生の晩”である(表1)。

  2. 主茎長はやや長く、倒伏は同程度である(表1)。

  3. 収量性は劣る(表1)。

  4. 最下着莢節位高は低く、10cm程度である(表2)。

  5. 百粒重が10g程度と小粒で、粒揃いがよい(表2表3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 熊本県全域において、「フクユタカ」の一部に替えて普及を予定している。

  2. 最下着莢高が低いため、コンバイン収穫時における汚損粒の発生に留意する。

  3. 小粒で納豆加工適正に優れる。

[具体的データ]

表1 各場所における生育


表2 各場所における収量と品質


表3 粒厚分布(重量%)

[その他]
研究課題名:大豆奨励品種決定調査
予算区分 :県単
研究期間 :2003〜2004年度


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