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醤油醸造用小麦「ニシノカオリ」、「ミナミノカオリ」の高タンパク化するための追肥適期


[要約]
「ニシノカオリ」、「ミナミノカオリ」で醤油醸造用としてタンパク質含有率13%以上を安定して確保できる追肥時期は「ニシノカオリ」では出穂期〜出穂後10日、「ミナミノカオリ」では出穂後5〜10日である。

[キーワード]
ミナミノカオリ、ニシノカオリ、高タンパク質、醤油醸造用、追肥時期

[担当]
大分農技セ・水田利用部

[連絡先]電話0978-37-1141	
[区分]九州沖縄農業・水田作	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
大分県には小麦を原料とする醤油醸造業が立地し、これらの業者からタンパク質含有率が13%以上の小麦を求められている。そこで高タンパク質小麦を醤油用として選定したが、追肥しなければタンパク質含有率13%以上の確保が困難である。したがって安定してタンパク質含有率を確保できる追肥時期について検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 醤油醸造用として必要とされるタンパク質含有率13%を安定的に確保できる追肥時期は「ニシノカオリ」で出穂期〜出穂後10日、「ミナミノカオリ」で出穂後5〜10日である(図1表1)。

  2. 実肥の施用により増収し、高タンパク化の施用適期での増収割合は5%程度である(表1)。

  3. 出穂前10日の追肥により増収するが、タンパク質含有率13%を安定的に確保できない。出穂後20日の追肥では増収程度も少なく、安定的なタンパク質含有率は確保できない(表1図1)。

  4. 実肥により成熟期は4〜5日遅くなる。また、追肥による倒伏はほとんど認められない(表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 製粉用小麦と外観品質が明らかに異なるので異品種の混入を避けるため、作付けは団地化する。

  2. 実肥に使用した資材は硫安で、窒素施用量は0.6kg/aである。

[具体的データ]

表1 追肥時期による生育、収量調査結果(2001〜2004年産、3カ年平均)


図1 追肥時期とタンパク質含有率

[その他]
研究課題名:中山間を含む中九州地域における早生小麦品種・系統の高位安定生産技術の確立
予算区分 :国庫
研究期間 :2001〜2003年度


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