丈夫な畳表が織れるいぐさ新品種候補系統「有明5号」
- [要約]
- いぐさ「有明5号」は茎の硬さが硬く、製織長が長い。畳表の品質が良くかつ摩耗強度が強く丈夫な畳表が製織できる。
- [キーワード]
- イグサ、品種、畳表
- [担当]
- 熊本県農業研究センター・い業研究所・育種栽培研究室
[連絡先]電話0965-52-0372
[区分]九州沖縄農業・水田作・(いぐさ)
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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需要低迷や中国を主とする安価な外国産いぐさやい製品におされ国内いぐさ産地は大きく影響を受けた。そこで、品質が良く丈夫であるという国産品の特性を充分に生かした品種を開発し、品質による格差をつけるとともに国内産地の特色を明確にすることで、産地の振興をはかる。
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[成果の内容・特徴]
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「有明5号」は、多収品種「いそなみ」と「沖縄太い」自殖種子由来の系統との人工交配に由来する。
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茎数は「岡山3号」より多く、茎重は「岡山3号」「あさなぎ」より重い。
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1m乾茎重は「岡山3号」程度であり「ひのみどり」より重い。
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茎の太さは「岡山3号」と同程度であり、「ひのみどり」より太い。
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茎の太さの整否は「岡山3号」「ひのみどり」より劣る。
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花序の着生率は「岡山3号」より高い。
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茎の硬度は「岡山3号」「ひのみどり」より硬い。
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製織長は「岡山3号」「ひのみどり」「あさなぎ」より長い。
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先枯れは「岡山3号」「ひのみどり」と同程度である。
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品位は「岡山3号」より良好であり、「ひのみどり」よりやや劣る。
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摩耗強度は「岡山3号」より強く丈夫な表が織れる。
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[成果の活用面・留意点]
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本田植え付け後の枯死株がやや発生しやすいので、苗床及び本田の連作は避ける等留意する。
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花序の着生率が高いので、早刈の栽培は避ける。なお、その場合先刈高さを低くすることで花序を抑制できるが、多収性は失われる。
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摩耗強度の強い硬い感じの畳表が製織され輸入品との品質格差を明確にできる。
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[具体的データ]
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[その他]
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研究課題名:いぐさの品種育成
予算区分 :国庫補助、指定試験地事業
研究期間 :1991〜2004年度
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