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早期水稲「コシヒカリ」の簡易な倒伏予測法


[要約]
早期水稲「コシヒカリ」の倒伏は、移植後60日前後の上位第2葉の葉色と上位第1葉の葉身長との相関が高く、倒伏程度を簡便に予測することが可能である。倒伏が中程度になる目安は、上位第2葉葉色が40以上、上位第1葉身長41cm以上である。

[キーワード]
早期水稲、コシヒカリ、倒伏、葉色、葉身長

[担当]
宮崎総農試・作物部・栽培科

[連絡先]電話0985-73-2126	
[区分]九州沖縄農業・水田作	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
宮崎県の早期水稲栽培面積は約1万haで、そのほとんどは「コシヒカリ」である。「コシヒカリ」は、倒伏しやすく、年によっては収量・品質低下をもたらしている。そこで、生育中期の水稲の形質を用いて、倒伏を穂肥施用前に予測する手法を検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 2000〜2002年の各調査項目と倒伏程度との相関をみると、いずれも数値が大きくなるほど倒伏程度が大きくなる傾向であった。相関係数は、0.4〜0.5程度であった。

  2. 2000〜2002年の調査項目2項目の組み合わせから倒伏程度の予測式を重回帰で作成すると、X1に移植後50日上位第2葉葉色の調査項目が含まれる予測式が相関係数が最も高く、次いで移植後60日上位第2葉葉色であった。(表1

  3. 作成した予測式を用いて、2003年早期水稲の倒伏を予測したところ、X1が移植後50日上位第2葉葉色の予測式は、相関係数が0.2程度と低かった。(表1図1)X1が移植後60日上位第2葉葉色の予測式は、相関係数が0.8程度と高かった。(表1図2)その中で、予測式の相関係数及び実測値との相関係数が一番高い予測式(移植後60日)は、次式となる。

    この場合、倒伏が中程度(Y=3)になる目安は、上位第2葉葉色が葉緑素計で40以上及び上位第1葉葉身長が41cm以上である。

[成果の活用面・留意点]
  1. 本成果は沖積土水田の早期水稲稚苗移植栽培に適用する。

  2. この予測式を用いれば早期水稲「コシヒカリ」の倒伏程度が穂肥施用前に予測できるので、倒伏軽減剤等の倒伏防止対策に活用できる。

  3. この予測式は、平年並の気象を前提にしており、成熟期の気象によっては倒伏程度が大きく変化することがある。

[具体的データ]

表1 調査項目と倒伏との相関


図1 2003年早期コシヒカリ倒伏予測値と実測値


図2 2003年早期コシヒカリ倒伏予測値と実測値

[その他]
研究課題名:気象変動に対応した高品質・良食味米生産技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2000年度〜2003年度


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