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カンショの畦表面硬化栽培特性

［要約］

畦表面硬化機（野菜畦用）を用いて、カンショ「高系14号」を密植水平植栽培すると、慣行の黒マルチ・斜植に比較して、青果用に適するL〜2Sの割合が多く、コガネムシによる食害が少なく、優品以上のいも収量が増加する。

［キーワード］

カンショ、畦表面硬化栽培法、コガネムシ

［担当］

熊本県農業研究センター・農産園芸研究所・作物研究室

［連絡先］電話096-248-6444	
［区分］九州沖縄農業・畑作	
［分類］技術・参考	

［背景・ねらい］

熊本県内のカンショの作付面積は約1,300haであり、特に菊池、阿蘇南部の基幹作物となっている。九州沖縄農業研究センターで開発された畦表面硬化栽培技術によると、良質・多収となるとの報告がある。しかし、それは、かまぼこ型の高畦を立てるカンショ用畦表面硬化機よるものであり、その後、野菜用に開発された1畦2条植の平高畦（畦高25cm、裾幅90cm、畦溝幅30cm）を立てる野菜用畦表面硬化機によるカンショ栽培への検討は行われていない。このため、本県のカンショ栽培地帯で多く見られる細粒黒ボク土で、野菜用畦表面硬化機による栽培試験を実施し、その特性を把握する。

［成果の内容・特徴］

野菜用畦表面硬化機を利用して青果用カンショ「高系14号」を栽培すると、慣行の黒マルチ・斜植栽培法に比較し、下記の有利性がみられる。

1. 密植することが容易であり、生果用に適するL〜2Sの割合が多くなり、優品以上の収量が増加する。（図1）。
   

2. いもの長/径比はやや小さくなるが、生いもの糖度（Brix値）は同程度である（表1）。
   

3. コガネムシによる食害が少ない（図2）。
   

［成果の活用面・留意点］

1. 本栽培法では、挿苗〜生育前期が寡雨で推移すると、初中期の生育が遅れ、収量が減少する。
   

2. 本栽培法では、挿苗直後に、除草処理が必要である。
   

［具体的データ］

図1　規格別いも収量（優品以上の出荷できる商品）

図2　規格別いも収量（コガネムシの食害による規格外品）

表1　長さ/径比、Brix値及赤み値

［その他］

研究課題名：カンショ・野菜栽培輪作体系下での持続的な高品質・安定栽培技術
予算区分　：地域基幹
研究期間　：2002〜2004年度

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