細断型ロールベーラによるトウモロコシのサイレージ調製
- [要約]
- 細断型ロールベーラは青刈トウモロコシをロールベールラップサイレージに調製でき、ロールの大きさは直径約80cm重量約300kgで、調製時のロスはベーラと対応ラッパの合計で2%以下である。また、作業能率はスタックサイロの約2倍と高い。
- [キーワード]
- 青刈トウモロコシ、ラップ、サイレージ、ロールベーラ、粗飼料、ラッパ
- [担当]
- 宮崎畜試・飼養部・飼料草地科
[連絡先]電話0984-42-1122
[区分]九州沖縄農業・畜産草地(草地飼料作)
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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生物系特定産業技術研究支援センターが開発した青刈トウモロコシをロールベール・ラップサイレージ(以下ラップサイレージ)に調製する細断型ロールベーラ(以下ベーラ)と対応ラッパの性能を調査し評価する。
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[成果の内容・特徴]
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成形されるロールベールは直径約80cm、長さ約90cm、重量約300kg、体積約0.5m3で、密度は約650kg/m3である(表1)。
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ベーラの調製ロスは成形時ロス0.5%、放出時ロス1.0%で、対応ラッパの密封ロスは0.26%であり、合計のロスは約1.8%になる(表2)。
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トウモロコシの登熟が進むとロールベールの現物重量は軽くなるが乾物重量は重くなる傾向を示す。さらに、糊熟期の調査結果(水分72%)から切断長が短い方が重いことから、短く細断した方が密度も高まる(表3)。
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ベーラの作業能率は、1台のトラクタにハーベスタとベーラの2台の作業機を装着したワンマン作業体系で184分/ha(10.1t/hr)、対応ラッパの能率は253分/ha(7.4t/hr)でありラッパの密封作業がより多くの時間を必要とする。また、延べ作業時間は慣行のバンカーサイロの約60%、スタックサイロの約50%に短縮できる(図1)。
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1個のロールベールを調製するのに使用した資材はネットが約12m、フィルムは約54mであり、ネット1本で172個フィルム1本で33個のサイレージが調製できる(表4)。
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[成果の活用面・留意点]
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細断型ロールベーラは二人でトウモロコシをロールベールサイレージに調製でき、また、ロールベールサイレージの運搬も比較的容易であるため流通に適している。
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小面積の圃場では作業能率は低下する。
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[具体的データ]
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表1 ロールベールの形状

表2 調製ロス

図1 1ha当りの作業時間

表3 ロールベールの重量

表4 ロールベールラップサイレージ1個あたりの使用資材
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[その他]
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研究課題名:自給粗飼料生産の機械体系化確立試験(細断型ロールベーラの実用化試験)
予算区分 :受託試験(生研センター)
研究期間 :2002〜2003年度
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