Navigation>>九州沖縄農業研究センター >> 研究成果情報 >> 平成16年度目次

黒毛和種去勢牛の肥育前期における飼料イネホールクロップサイレージの給与水準はTDN当たり20%が良い


[要約]
飼料イネホールクロップサイレージ(モーれつ種:糊熟期)は稲ワラよりβーカロテン含量が高く肥育前期の給与に適しており、給与水準をTDNの20%程度とすることで、日増体量は有意に向上し、枝肉重量及びロース芯面積が大きくなる。

[キーワード]
肉用牛、飼料イネホールクロップサイレージ、給与水準

[担当]
宮崎畜試・飼養部・肉用牛科

[連絡先]電話0984-42-1122	
[区分]九州沖縄農業・畜産草地(肉用牛)	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
肥育経営においては、粗飼料の殆どを輸入に頼っている状況である。口蹄疫の発生を契機として自給飼料や清浄国からの粗飼料の利用が望まれていることや輸入稲ワラの相次ぐストップにより安定的な粗飼料の確保が重要となっていることから、近年作付けが伸びている飼料イネホールクロップサイレージ(WCS)の給与水準が肥育成績に及ぼす効果について検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 飼料イネホールクロップサイレージ(WCS)は稲ワラに比較して乾物当たりTDN及び粗蛋白質含量は高い傾向にあり、βーカロテン含量も高い(表2)。

  2. 肥育中期における稲ワラの摂取量および全期間の粗飼料摂取量とも、WCS10%区において有意に少ない(表3)。

  3. 日増体量はWCS20%区で有意に大きく、終了時体重も大きい傾向にある(表4)。

  4. 枝肉成績は、脂肪交雑(BMSNo.)はWCS10%区が高い傾向にあるが、枝肉重量及びロース芯面積はWCS20%区で大きい(表5)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 肥育前期における粗飼料の適正な給与量は重要であるので、TDN及び乾物摂取量が計画を下回らないようにすること。

[具体的データ]

表1 試験区分


表2 飼料イネWCS及び稲ワラの成分(平均値)


表3 一日当たり濃厚飼料及び粗飼料摂取量の推移


表4 肥育成績


表5 枝肉成績

[その他]
研究課題名:黒毛和種去勢牛肥育前期における飼料イネホールクロップサイレージの給与水準が肥育成績に及ぼす影響
予算区分 :国庫
研究期間 :2002〜2004年度


目次へ戻る