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肥育牛飼育におけるミネラルブロック設置場所の工夫


[要約]
肥育牛を飼養する牛房内にミネラルブロック(鉱塩)を設置する場合、飼槽に対面する飲水器側の柵に牛床から0.6mの高さに鉱塩を設置すれば、肥育牛の鉱塩摂取量が増加する。

[キーワード]
ウシ、肉用牛、ミネラルブロック

[担当]
鹿児島畜試・肉用牛部

[連絡先]電話0995-48-2185	
[区分]九州沖縄農業・畜産草地(大家畜)	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
肉用牛の肥育では、尿石症の予防や微量ミネラルの補給のために牛房内へ鉱塩を設置している。牛が鉱塩を舐める行為は採食・休息後の反芻をする直前や反芻中によくみられるとの報告がある。また,鉱塩をよく舐める時期に飲水行動が多いことも報告されている。しかし、鉱塩の設置場所の条件が肥育牛の鉱塩摂取量へ及ぼす影響についての知見は少ない。そこで、鉱塩設置場所の牛床からの高さおよび飼槽並びに飲水器との位置関係が肥育牛の鉱塩摂取量に及ぼす影響を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
黒毛和種肥育牛(16ヵ月齢〜25ヵ月齢)を飼養している牛房(4房)において、鉱塩設置場所を飲水器側0.6m、飲水器側1.1m、飼槽側0.6m、飼槽側1.1mの順に変更し、設置場所変更後7日目から14日目の鉱塩摂取量を測定し、1頭当たりの鉱塩摂取量を調査した。

  1. 牛床から鉱塩までの高さを0.6mに設定すると高さ1.1mに比べ、1頭当たりの鉱塩摂取量が約0.100kg/7日間多くなる(P=0.063)(図1図2図3)。

  2. 鉱塩を飲水器側の柵に設置すると飼槽側に設置する場合と比べ、1頭当たりの鉱塩摂取量が約0.120kg/7日間多くなる(P&st;0.05)(図1図2図3)。

  3. 飲水器側0.6mに鉱塩を設置した場合の1頭当たり鉱塩摂取量が最も多く0.305kg/7日間となった。一方、飼槽側1.1mに鉱塩を設置すると1頭当たりの鉱塩摂取量は最も少なく0.093kg/7日間であった。この値は、飲水器側1.1mおよび飼槽側1.1mと比べ有意に少なくなる(P&st;0.05)(図1図2図3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 肥育牛を飼養する牛房内における鉱塩設置場所を決める際の資料となる。

[具体的データ]

図1 各牛房における鉱塩設置場所の平面図


図2 各牛房における鉱塩設置場所の側面図


図3 肥育牛1頭当たりの鉱塩摂取量

[その他]
研究課題名:低コスト・高品質牛肉生産のための飼養技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2001年〜2004年度


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