Navigation>>九州沖縄農業研究センター >> 研究成果情報 >> 平成16年度目次

永年ギニアグラス「ナツユタカ」草地へのイタリアンライグラスの追播


[要約]
亜熱帯地域のギニアグラス永年草地にイタリアンライグラスの極早生品種「さちあおば」を追播することで冬期の収量を確保できる。気温が摂氏20度以下に下がる12月上旬以降にギニアグラスを刈取り、イタリアンライグラスを散播で追播し、トラクタで鎮圧することが有効である。

[キーワード]
イタリアンライグラス、ギニアグラス、追播、播種時期、亜熱帯

[担当]
沖縄県畜産試験場・牧草育種研究室

[連絡先]電話0980-56-5142	
[区分]九州沖縄農業・畜産草地(草地飼料作)	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
亜熱帯気候である南西諸島では年間を通した温暖な気候を利用して暖地型牧草を永年栽培しているが、気温が摂氏20度以下の冬期には生産性が著しく低下する。そこで、この時期の飼料生産を簡便な散播によるイタリアンライグラスの追播により補うため、適品種および播種適期の検討を行う。

[成果の内容・特徴]
  1. 追播は刈取り後のギニアグラス「ナツユタカ」の草地にイタリアンライグラスを散播し、肥料を施用後にトラクタのタイヤで鎮圧して行う。

  2. イタリアンライグラスの超極早生〜中生の5品種を12月20日に播種した場合、3月の1番草および4月の2番草とも極早生品種の「さちあおば」の収量が最も高い(図1)。

  3. 6月の3番草ではイタリアンライグラスは5品種すべてが枯死しており、ギニアグラス「ナツユタカ」の収量への影響は認められない(図1)。

  4. 無追播の場合と比較すると、イタリアンライグラス「さちあおば」の12月16日以降の追播で顕著に収量が高くなる(図2)。

  5. 追播区のイタリアンライグラス「さちあおば」の収量は鎮圧処理で無処理にくらべ高くなり、12月26日播種の鎮圧処理で最も高くなる(図3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. ギニアグラスにイタリアンライグラス追播を行うことで、ギニアグラスに加えて冬期の収量を確保することができる。

  2. 本試験は沖縄本島北部で実施されたもので、播種時期についてはその地域でギニアグラスの刈取後の再生が低下する概ね最高気温摂氏20度程度の時期に行う。

[具体的データ]

図1 追播したイタリアンライグラス品種が番草ごとのギニアグラス草地の乾物収量に

与える影響の比較


図2 イタリアンライグラスの追播とその播種日が1番草の乾物収量に及ぼす影響


図3 イタリアンライグラスの追播の時期、転圧がギニアグラス草地の1番草乾物収量に及ぼす影響

[その他]
研究課題名:イタリアンライグラスの系統適応性検定試験
予算区分 :指定、県単
研究期間 :2001〜2003年度


目次へ戻る