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細断型ロールベーラで調製したトウモロコシサイレージの品質


[要約]
細断型ロールベーラで調製したロールベールラップサイレージの貯蔵性は安定しており、品質は良好である。また、成形後6時間経過して密封しても品質に与える影響は小さい。更に、1個のロールベールラップサイレージを5日間かけて取り出しても品質の劣化は少ない。

[キーワード]
トウモロコシ、サイレージ、ロールベール、ラップサイレージ、品質、開封

[担当]
宮崎畜試・飼養部・飼料草地科

[連絡先]電話0984-42-1122	
[区分]九州沖縄農業・畜産草地(草地飼料作)	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
生物系特定産業技術研究支援センターが開発した「細断型ロールベーラ」を用いて調製したトウモロコシのロールベールラップサイレージの品質を評価する。また、小規模農家を想定した取り出し法を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 乳熟期のトウモロコシのロールベールラップサイレージは貯蔵期間が延びるに伴い乳酸含量は低下したが、V-SCOREは低下せず、品質は良好である(図1)。

  2. 細断型ロールベーラで成形してから6時間までに密封したサイレージではV-SCOREは90以上であり品質の劣化は小さい。また、成形翌日に密封したロールでもpHは4.2、V-SCOREは88であり3か月間の貯蔵では問題ない(図2)。

  3. 平均気温摂氏26.5度、平均最高気温30.6度の条件下でも、上部含水率70%下部含水率77%の乳熟期のロールベールラップサイレージを毎日上部から写真1のように60kgずつ取り出しても品質の劣化は小さく、4日から5日間かけて取り出すことが可能である(図3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. トウモロコシのロールベールラップサイレージは品質が安定しているので、サイレージの流通が期待できる。また、少量取り出しも可能であり5頭程度の小規模肉用牛農家でも利用できる。

  2. 高水分で調製した場合はロール下部に水分が溜まるため、開封前に排汁する必要がある。

[具体的データ]

図1 ロールサイレージの貯蔵期間と品質


図2 ロール成形から密封までの経過時間とサイレージの品質


図3 少量取り出し時のサイレージ品質の変化


写真1 少量取り出し状況

[その他]
研究課題名:自給粗飼料生産の機械体系化確立試験(細断型ロールベーラの実用化試験)
予算区分 :受託試験(生研センター)
研究期間 :2002〜2003年度


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