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暖地型牧草パンゴラグラス「トランスバーラ」を用いた集約的周年放牧における季節別放牧可能頭数


[要約]
トランスバーラは、ジャイアントスターグラスと比較して放牧利用率、採食量に優れ、集約的周年放牧技術と組み合わせることで高い牧養力を示す。季節別放牧可能頭数は、ha当たり春期8頭、夏期10頭、秋期5頭、冬期3頭が目安となる。

[キーワード]
集約的周年放牧、肉用牛、採食量、牧養力、暖地型牧草

[担当]
沖縄県畜産試験場・飼料研究室

[連絡先]電話0980-56-5142	
[区分]九州沖縄農業・畜産・草地(草地飼料作)	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
黒毛和種繁殖経営において生産コストの低減、労働力の節減のためには放牧利用が有効である。パンゴラグラス「トランスバーラ」(以下Tr)は生産性、栄養価に優れていること,栄養茎の伸長により密な草地を形成することから放牧草種としての活用が期待される。しかし、栄養系繁殖牧草を用いた集約的周年放牧による放牧強度を検討した報告は少なく、周年利用するためには季節別放牧可能頭数の目安を提示する必要がある。

[成果の内容・特徴]
TrとGsそれぞれ9.4aの牧区を4牧区づつ設置し,黒毛和種繁殖牛(維持水準)を用いて集約的周年放牧を実施した。また、季節別の草量にあわせて放牧頭数を増減させた。追肥は退牧毎にN,P2O5,K2Oそれぞれ5.7、3.2、4.5kg/10aを施用した。
  1. 放牧利用率はTrがGsよりも有意に高く、1頭当たりの採食量(DMkg/日)もTrがGsよりも高い傾向である(表1)。

  2. 牧養力(CD)は、Trが2287CD、Gsが2321CDである。両草種の牧養力は、集約的周年放牧技術と組み合わせることで沖縄県の畜産経営技術指標から算出した牧養力1314CDを大きく上回る(表2)。

  3. 季節別放牧可能頭数はha当たり春期8頭、夏期10頭、秋期5頭および冬期3頭が目安となる。

[成果の活用面・留意点]
  1. 沖縄県においてトランスバーラ草地に放牧する際の季節別放牧可能頭数の目安になる。

  2. 退牧してから再入牧するまでの牧草再生日数は春期、夏期および秋期が30日前後、冬期が60日前後を目安とする。

[具体的データ]

表1 TrとGsの放牧利用率と採食量


表2 TrとGsの牧養力

[その他]
研究課題名:パンゴラグラス(トランスバーラ)の活用技術の確立
予算区分 :県単および受託
研究期間 :2001年〜2004年度


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